第9章「信州の冬」

2010年03月29日 | 人生これから日記
あれ?どこに入ってるんだ?倉庫だよ、ここは。

U-を探していたらこんなところに居た!




2008年大晦日


ひと月に1度くらいしか来れないが
次の作業の段取りを考えて横浜で仕事してるのも張り合いがある。
元気なアラフィフだなあ~。(Yさんはアラ還か?)

ただ悪い癖で 先に先にどんどん走る癖があり
月一が歯がゆく、もっと早くどうにかならないのか!と
気ばかりあせってしまう。

Yさんのお姉さんが
「やっている途中が一番楽しいのよ。
 ゆっくり。ゆっくりやりなさいね。」と言っていた。
その言葉がきっちり脳に入り、何回も自分の中で
「ゆっくり、ゆっくり」と戒めている。

人生まだ半分。時間はまだまだたくさんあるじゃないか。
この場所がなくなる訳ではない。
時間が有るときに、出来る人が出来る事をする。
ゆっくり、ゆっくり考えて作ればいい。

Yさんが言った。
「マグロだね~」と。
姿形のことじゃなくて、泳いで無いと死んでしまうという比喩。
マグロか・・そうか、私はマグロなんだ。
可愛そうに止まったら死んじゃうんだ・・・・
ふーん。

じゃあ、ゆっくりなんて言ってられない!ガツガツ行くぞ!

2008年スタートから5ヶ月



2009年元旦





雪が少ないといわれたこの土地も
うっすらだが雪道になっていた。

雪が少ないということはそれだけ寒いのだそうだ。
案の定 バンビのタンクの水が凍って使い物にならなかった。
水が出ないということはガスも使えない。
お湯が出ないということはお皿が洗えない。
=料理が出来ない。


ゆっくりね、と言ったお姉さんの子供のK君が
一緒に冬を過ごすことになった。
でも泊まる所はテントしかないよ。
ニュージーランドやカナダを旅してきた彼にとって
寝るところは問題ではないらしい。

-7度の所で寝るのだから、いくら高性能の寝袋でも
寒いだろうなあ~と思っていたら、
有るもので工夫しだした。

なんとそれは 開拓の途中で出てきた20センチほどの石を焚き火に入れて
真っ赤になるほど熱し、スコップに乗せてテントに運んでいった。
石が赤いうちは半袖でもいいほどテントの中は暖かいらしい。
遠赤外線効果だね!水をかけたらサウナだねえ。
但し夜中の2時ごろに冷めてしまうので
また焚き火の火をおこし、石が真っ赤になるまで焼き続けていたという。



我々は飲んでゴーゴー寝ていたので
真夜中に彼が一人で火を起こし、長い時間そうしていたことを知らなかった。

恐るべし!Yさんの甥っ子。

 

チェンソー初めての彼は丸太の椅子とテーブルを
丁寧にカットして作っていった。



サークルの周りがいつもドロドロなので石を貼ることにした。
冬にセメントでは固まるのに時間がかかると思い
マサドという砂で、水をかけると固まる性質の簡易的な方法で
石を貼っていったのだが、後々この「簡易的な」はやり直しの対象に。
説明書には「24時間後に硬化」なんて書いてあったが
未だに固まっていないのは?

それからYさんと甥っ子K君は サークルの上に屋根を付けるのに
柱を建てた。



松を切り 皮を剥き 埋め込む穴を掘り しっかりとセメントを流した。



今回はお正月だけれど
食べ物は毎日継ぎ足しの常夜鍋。
最後のほうはどろどろになって 気持ち悪いのになっていた。

こんな時、Kさんがいたらもっと食べ物にありつけたかも。
「おーい」



何年か前、雪中キャンプをしに猪苗代に行った時
そのときも-7度だった。飲んでも飲んでもお酒が効かない。
これはウォッカ飲まなきゃ駄目だね、なんて話していたのを思い出した。
ここの夜もそうだった。完全防寒して焚き火の前で飲んでいると
お湯割があっという間に冷めてしまうし、ビールや食べ物は出して置くと
凍ってしまう。
ビールはバンビの中のさらに箱の中にしまって置くのだが、
出して開けた瞬間に中身がシャカシャカと凍っていく。
ペットボトルの水も外にだしてキャップを開けると
同じようにシャカシャカ凍り始める。
これはおもしろかった。
でもこの厳寒の中でもビールを飲もうとするYさんの方がおもしろい。





帰る頃には雪は溶け 柱は3本。
残りの1本は 春までおあずけに。



K君初作品 テーブル&あるじを待つ椅子




第10章に続く








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4 コメント

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-7℃! (quilt4)
2010-03-29 22:44:48
寒い時も参加したはずなんですが、ビールがシャカシャカ、ペットボトルがシャカシャカは知りません。
恐ろしや~
でも私だって-3℃の朝、裸で露天風呂に飛び込んだんだからすごいよね。
寒さも暮らせば慣れるのかな。

k君、いいね!
お姉様の育て方が良かったんだ。
又来てくれるのかな?
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-7℃ (ukiuki)
2010-03-29 23:12:26
-7度は肺が冷たいんです。
Beerのシャカシャカ、知りませんよね~。
これはお正月のことでした。
K君はその後どこの地にいってしまったのでしょうか・・・。探す場所が千葉とか長野とかじゃないんです。オーストラリアとか?カナダとか?おいおい・・・・。どこにいるんじゃろか。また来て欲しいものです。
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Kくんの消息 (waikoloa89)
2010-03-30 00:35:36
え・・と、ワタクシ、Kくんとニュージーで3年半一緒に暮らした叔母のワイコです。その当時牧場で働いていたKくんは、生後3日目のヒツジとかを連れて帰ってきては哺乳瓶でミルク飲ませて育ててました。
今はたぶん、オーストラリア大陸を横断だか縦断だかの最中で、もうすぐ一旦帰国してからカナダかデンマークかどっちだったか、行くって言ってましたー。昨夏、由布院の家の庭で、チェーンソーを使って切った切り株を利用した階段を作ってました。あ、そうそう、ウチの息子にチェーンソーの使い方教えてくれてましたわ。息子、ビビってましたケド。
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Kくんよ いずこへ (ukiuki)
2010-03-30 10:32:07
ワイコ叔母様、こんにちは♡

彼はすごいですね。
穏やかな中に秘めてる(?)感性と想像力は経験からというより、生まれ持ったものだと感じました。
毎回思いますが、次に会うときが楽しみな若者です。

いいなあ~
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