第１章「棲家さがし」

東京生まれ,下町育ち。
結婚して横浜に住み２児をもうけ、彼此３０年経ち
自分は仕事をやめたときにどこで何をしてるのだろうかと
バブルがはじけた頃　考え出した。

バブルの恩恵はまったくなかったのに、弾けた負のスパイラルには巻き込まれ
ここ何年も建築業界は冷え込み、相次ぐ倒産を見てきた。
小船にもならない葉っぱほどの小さな我社は
大波小波に翻弄されまくり　ま、軽かったから沈まなかったのだが。

山の暮らしにどんなに憧れようと、普通に土地が買えるわけない。
貯蓄などない、自転車操業そのもの、止まったらおしまい。
以前のように仕事が入ってこないし　借金もまだ残っている。　
手元のお金はこの先の生活費にしなければいけない。
長くかけていた生命保険を解約し　会社が持ち直すまでの経費にし

この先　どうしようか・・・と言う時に
偶然目に入った　公売物件があった。


人生の転機というものは
歩き続けてさえいれば後ろからちゃんと付いてきて
時期を見て振り向かせてくれるものなのだと思う。

振り向いてみると
そこは日本の地図で指すと信州だった。
現実逃避だったのか、
後先考えず半分ヤケクソの土地入札をしてしまった。

　　　
この地を終の棲家にしようと決めた。
２００８年６月落札




これから始まるプロジェクトの要員に
ジプシーのように全国（北海道を除く）の温泉を制覇してきたYさんがいる。
なぜかいつも都会の中でチェンソーとナイフを持っている。
Yさんの車の中は職務質問されたら　まず当分出てこれないと思う。
どんな状況を待っているのか分からないが、相当マニアックで
普通に横浜にいるのは意味が無いのでは・・・？という人。

そんなYさんとの出会いがあって夢が現実に見れたのかもしれない。

もう一人の賛同者が何でもHANDMADEするKさん。
自然の中で彼女が何を考えて作っていくかが楽しみだ。
地産の物をきっと色々な角度から分析して
器用に使い分けするのだろうなと思う。

それぞれが出来ることを見つけて、出来る時に仕事していくというスタンスでいい。

２００８年７月始動！

第2章に続く