設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

「普通」を広げてみる

2004年08月23日 19時41分49秒 | 独り言
人間誰しも 新しい物を受け入れるのは勇気がいる。
未知なる物を見たり聞いたりする最初は、結果が
わからないが故に つい受け入れるのを辞めてしまったりする。
自分が 今まで見た事 知ってる事 聞いた事を
世界中の「普通」という常識に組み込んでしまう事もある。
 
振り返れば 未知なる物が結構 当たり前の様に
自分の「普通」に入っている事もある・・・・・・

個人住宅の お施主さんは、毎度この未知なる物を受け入れる
勇気を出してくれているように思える。
だからと言って 建築士の設計する家が物凄く「奇抜」な物
ではないのだが、現実的に街に たくさん溢れて建っていない。

外壁の材料一つ取っても 予算に合わせた提案で 建築士から
提案された物は、今まで 一般的に お施主さんが
「見てきたことが無い 知らない」材料だったりする。
そうなると ちょっと躊躇している方もいる。
それは、正直な態度だ。何しろ 結果は いくらパースとか
模型で確認しても 実物大は出来上がった「結果」でしかない。
それでも 何回にも渡る打ちあわせで お施主さんの方々は
かなり変わってくる。

最後の方では
「今度は どんな未知なるアイデイアや見たことの無い物の
 提案が出てくるのか」
と、建築士との打ち合わせが逆に 楽しみになっていく。
そういう雰囲気が生まれてくると もうその「家造り」は
大半が成功したのではないだろうかと 超いい加減だが
個人的には感じる。

「普通」と感じる常識を小さくしてしまうのは簡単だ。
その枠を広げるのは 大変な事である。
そして そんな大変な枠を上手に広げさせてあげるのも
建築士の力量に入っているのかもしれない。

これは もう設計云々の話しでなく 建築士の魅力にも
繋がるのかも・・・・・と考えると 段々 我が家が
怪しくなってきてしまった・・・・・・(暗)