もうすぐ 病魔が多くなる冬の到来だ。
風邪も多くなるし インフルエンザという厄介な病気もやってくる。
いつも「うるさくて 煩わしくて 落ち着かなくて」という子供が
ぐったりと布団から動かない風景は これまた いくら母性欠如の自分も
なんだか「大丈夫だろうか・・・・」と気持ちになるものだ。
子供が つらそうにしているのは 確かに親としてはつらい。
でも その子供の「ぐったり」が自分に移ってきてしまうと それはそれで
違ったつらい光景が家で繰り広げられる。
何しろ 自分が動けない でも寝ていられないという状況ほど つらいものはない。
あれは まだ子供達が二人とも おむつをしていた時代。
多分 長男は1歳代で次男はハイハイをしていた0歳代頃
自分が物凄い頭痛風邪に見舞われた事があった。
専門屋(夫)はサラリーマンであったし 仕事もあったし 結局 昼間は
手のかかる動物もどきの子供二匹と病魔に冒された母との三人。
立っているのもつらくて 朝から引きっぱなしの布団に自分が寝ていると
母が動けないというのを敏感に感じるのか 単なる性格がねじくれているのか
わからないが いつも手のかからない次男がグズグズとぐずったり・・・・
家の中での遊びに飽き始めた長男が 口の回らない言葉で
「おんも おんも~」と騒ぎ出す。見れば自分で持ってきたのだろうか
ちゃっかり手に自分の靴なんかを持っている・・・・・
部屋の中は 子供の玩具が散乱し 台所は洗い物があふれ 引きっぱなしの
布団で 子供たちは それぞれ泣き出している・・・・・
この非日常の光景を 重たい身体で見ていると なんだかこっちも
泣きたくなってしまったのを覚えている。
そうやって ぐずぐずと過ごしていた三日目。ピンポーンと誰かが
ある午後やってきた。開けると そこには近所の公園でいつも遊んでいる
知り合いが子供の手を引いて立っていた。
毎日来ている私たち母子が 来ないのでどうしたのかなと お節介ながら
来てみたと知り合いは言っている。
風邪がひどいうので こういう訳でと話すと 知り合いは子供の手を引き
「30分後に またドア開けてね!」そう言って帰っていった。
1時間くらいして ドアの外がガタガタしていたので覗いてみると
ドアにスーパーの袋がかかっていて 中には りんごとバナナがどっさりと
入っていた。走り書きの紙に「お大事に」という文字・・・・
知り合いの買ってきてくれたバナナは ごく普通のスーパーのバナナだったのだが
一口食べると その甘さが口中に広がる感じがした。
汚く散らかった部屋で 子供たちも バナナを食べ始め その光景を
見ていたら 不意に涙が出てきてしまった。今考えれば 大げさなのだが
ちょっと体調が悪くて 気が高ぶっていたのかもしれない。
自分も子供がいて大変なのに 心配で見に来てくれた知りあいの優しさが
このバナナの甘さに じんわりと出ているようで食べるたびに なんだか
涙が出てきたのを覚えている。そして子供達は 不思議そうに泣いて
バナナ食べる母をじーっと見ていた記憶がある。
今は子供たちも大きくなり 医者に行く回数も減ってきた。
自分が体調を崩しても ゆっくり寝られる時間も確保出来る。
それでも病気の時は なんだかバナナが美味しい。
バナナの味は あの時の知り合いの優しさの味のようで
ちょっと忘れられない味になっているようだ・・・・・・
風邪も多くなるし インフルエンザという厄介な病気もやってくる。
いつも「うるさくて 煩わしくて 落ち着かなくて」という子供が
ぐったりと布団から動かない風景は これまた いくら母性欠如の自分も
なんだか「大丈夫だろうか・・・・」と気持ちになるものだ。
子供が つらそうにしているのは 確かに親としてはつらい。
でも その子供の「ぐったり」が自分に移ってきてしまうと それはそれで
違ったつらい光景が家で繰り広げられる。
何しろ 自分が動けない でも寝ていられないという状況ほど つらいものはない。
あれは まだ子供達が二人とも おむつをしていた時代。
多分 長男は1歳代で次男はハイハイをしていた0歳代頃
自分が物凄い頭痛風邪に見舞われた事があった。
専門屋(夫)はサラリーマンであったし 仕事もあったし 結局 昼間は
手のかかる動物もどきの子供二匹と病魔に冒された母との三人。
立っているのもつらくて 朝から引きっぱなしの布団に自分が寝ていると
母が動けないというのを敏感に感じるのか 単なる性格がねじくれているのか
わからないが いつも手のかからない次男がグズグズとぐずったり・・・・
家の中での遊びに飽き始めた長男が 口の回らない言葉で
「おんも おんも~」と騒ぎ出す。見れば自分で持ってきたのだろうか
ちゃっかり手に自分の靴なんかを持っている・・・・・
部屋の中は 子供の玩具が散乱し 台所は洗い物があふれ 引きっぱなしの
布団で 子供たちは それぞれ泣き出している・・・・・
この非日常の光景を 重たい身体で見ていると なんだかこっちも
泣きたくなってしまったのを覚えている。
そうやって ぐずぐずと過ごしていた三日目。ピンポーンと誰かが
ある午後やってきた。開けると そこには近所の公園でいつも遊んでいる
知り合いが子供の手を引いて立っていた。
毎日来ている私たち母子が 来ないのでどうしたのかなと お節介ながら
来てみたと知り合いは言っている。
風邪がひどいうので こういう訳でと話すと 知り合いは子供の手を引き
「30分後に またドア開けてね!」そう言って帰っていった。
1時間くらいして ドアの外がガタガタしていたので覗いてみると
ドアにスーパーの袋がかかっていて 中には りんごとバナナがどっさりと
入っていた。走り書きの紙に「お大事に」という文字・・・・
知り合いの買ってきてくれたバナナは ごく普通のスーパーのバナナだったのだが
一口食べると その甘さが口中に広がる感じがした。
汚く散らかった部屋で 子供たちも バナナを食べ始め その光景を
見ていたら 不意に涙が出てきてしまった。今考えれば 大げさなのだが
ちょっと体調が悪くて 気が高ぶっていたのかもしれない。
自分も子供がいて大変なのに 心配で見に来てくれた知りあいの優しさが
このバナナの甘さに じんわりと出ているようで食べるたびに なんだか
涙が出てきたのを覚えている。そして子供達は 不思議そうに泣いて
バナナ食べる母をじーっと見ていた記憶がある。
今は子供たちも大きくなり 医者に行く回数も減ってきた。
自分が体調を崩しても ゆっくり寝られる時間も確保出来る。
それでも病気の時は なんだかバナナが美味しい。
バナナの味は あの時の知り合いの優しさの味のようで
ちょっと忘れられない味になっているようだ・・・・・・
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