この物語は奈良時代の後宮女官の采女(地方豪族の娘)
若子、笠女、春世の三人がヒロインです。
「若子」は18歳、十人並みの容姿で天皇に食事を準備する膳司勤務。
「春世」は17歳、愛らしく言い寄る男は数多い。衣服の裁縫を司る縫司勤務。
藤原四兄弟の藤原麻呂と愛人関係になり、息子をもうけたにも係わらず
安貴王に求愛され、事件が起きる。
「笠女」は19歳、男勝りで文司勤務。
後宮十二司を束ねる諸姉の次期後継者を目標に努力する。
天皇(聖武天皇)と有力貴族(藤原氏)の確執、お妃達の勢力争いなどを絡め
様々な制約の中、三人それぞれが夢を持って生きていく姿を描いています。
最後に若子が『信じ頼れるものはこのわが身しかない』と・・・
思いやりの中に強く逞しい心へと成長した姿に感動しました。
この物語は女性ならではの気持ちが巧みに表現されていて女性にお薦めです。
(男性も読んで欲しいです)