律令国家における奈良時代の祭祀は日本全国の神祇官が登録するすべての官社を対象に行われていたが、10世紀以降は重要性を減らし、かわって天皇が伊勢神宮や特定の畿内の有力神社に対する奉幣が国家祭祀の中心になっていく。 対象となる神社は伊勢・石清水・賀茂を筆頭とした22社が固定し、道長の時代には21社奉幣が普通であった。 これらには石上、大神、大和など大和国の伝統的神社、 春日、大原野、吉田など藤原氏神、平野は桓武天皇の外祖父母氏族の氏神、橘氏の氏神である梅宮、皇室の祖先神である伊勢、石清水などなど貴族社会を構成する氏族の氏神と平安京の守護神の加護によって支えられている。 また祭祀とは別に摂関賀茂詣や摂関春日詣と呼ばれる参詣が恒例化し、私的に奉幣する。 藤原行成などは何度か臨時奉幣の賀茂史を勤めたことが権記に記されている。
伊勢神宮 皇大神宮