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源氏物語 末摘花(すえつむはな)の巻 (写真:こんな花です)
末摘花、恐ろしく馬面で額が広く色白ではあるが垂れた鼻は真っ赤。しかも胴長短足でやせ細った物語中随一の醜女。性格も古風で世間知らず。不憫さがつのり、終生源氏の庇護を受ける。
源氏は、死に追いやった、夕顔が今だ忘れられません。正妻「葵の上」とは相変わらずしっくりいかず、思いを寄せる藤壷の宮とはままならず。夕顔の親しみやすいあどけなさがまたと得難いものに思われ、性懲りもなくあちこちに聞き耳を立てていました。
そんな折、乳母子の大輔の命婦から故常陸宮の忘れ形見の姫君が、琴を相手にひっそりとすごしていることを耳にします。心ときめかした源氏は、早速女房をそそのかして、ひそかに姫君の琴を聞きに行きます。ついに姫君との対面となるが、姫君は無口なのか、何を言っても応答がありません。初心なのだと自分を納得させながら、闇のなかで姫君の風貌がわからずじまいに思いをとげます。
しばらくして姫君のところを訪れた源氏は、雪明かりの中で見た姫君の容貌に驚きます。
・背丈は高く背は軽く猫背で、
・目立ってたれた鼻の先が末摘花のように紅なのです。
・顔色だけは雪にも見劣りしないほど白く、蒼味さえ帯びているが、
・額はとてつもなく広く、
・そのくせ長い顔で特に下半分がのびきって見えるのである。
・肩口から胸は痛ましいほどに痩せて骨張り、
・肩のあたりなどは着物の上からでも痛々しく尖っている。
どうしてこんな姿を見てしまったのかと後悔するが滅多に見られないものの珍しさに、ついまじまじと見てしまう源氏であった。 あきれながらも不憫に思った源氏は、生活の世話をする決心をします。一方、二条院に引き取られた若紫は、日ごとに美しさを増しています。
母弘徽殿の女御
┣第一皇子朱雀帝
桐壺帝
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┃┃ ?
┃┃ ┣形見の女の子
┃┃ ④夕顔(六条の御息所の隣人----生霊に呪われ死ぬ----光源氏は加茂川で落馬)
┃┃ ③六条の御息所
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┃┣光源氏18歳(わらは病)
┃┃ ┣豪奢な饗宴----弘徽殿の女御の気持ちを逆撫で
┃┃┏①葵の上 (父:左大臣 母:桐壺帝の妹)
┃┃┗頭の中将(夕顔の話----雨夜の品定め)
┃┃ 伊予の介という老人@左大臣家(光源氏が訪問)
┃┃ ┣
┃┃┏②空蝉(若い後妻:光源氏と一度限りの関係----二度目は拒否)
┃┃┗小君
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┃桐壺の更衣(低身分:光源氏3歳のときに死亡)
┃
┃
┃
┃常陸宮
┃┗⑥末摘花(あばら家で老女と暮らす 不憫に思った源氏は、生活の世話をする)
┃ ┣
┃光源氏18歳
┃ ┣冷泉帝
┏⑤藤壺の宮(第四皇女 桐壺帝のいとこ@飛香舎 里帰り中に光源氏と関係)
┗兄・兵部卿宮
┣若紫(光源氏が後見人----光源氏がさらう@二条院)
┣?
祖母の尼君----光源氏に若紫を託す