●五感俳句005・湿感01・藤田湘子
「五感」とは視・聴・嗅・味・触の五つの感覚をいいますが、今回の湿感は五感の中の触覚にグループに属します。湿り気が膚に感じる感覚です。
○「もはや掌の湿り胡桃の暗部まで」(藤田湘子01)
季語(胡桃・秋)
胡桃を掌で握りしめています。2個以上あればぐりぐりと音がするかもしれません。長時間握りしめていたので、掌の湿り気がもはや胡桃の内部まで浸透しているようです。
○藤田湘子(ふじたしょうし)(1926~2005)
代表句「愛されずして沖遠く泳ぐなり」02
季語(泳ぐ・夏)
神奈川県小田原出身。国鉄本社広報部勤務。1942年から俳句を始める。『馬酔木』に投句し、→水原秋櫻子に師事。1947年、21歳で巻頭作家に。1949年「馬酔木」同人。56年第4回「馬酔木」賞受賞。57年、→石田波郷のあとを受け同誌編集長。64年『鷹』創刊、主宰。68年、「馬酔木」を離れた。
藤田湘子掲載句
2010/10/31 03雁ゆきてまた夕空をしたたらす(雁・秋)〈次元・再度(時間)〉
2014/04/18 04一といふ数重たしや暮の春(暮の春)〈特集・数詞の一〉
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