わらべうたとえんげきの広場はちみつ

こどもたちに
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物語を伝えたい。

神話を語ることができなかった

2012年01月10日 | 演劇

1月のおはなし会に向けて、新たなレパートリーを探しているところ。
いつも、わが子らに聞かせて「面白い」と言ってもらえた作品だけを語っているの。

その中で。

石川県の民話集の中から、能登の神話を語り、
なかなか面白かったので語ろうとして再話していたんだけれど…

途中で進まなくなっちゃった。

神様が悪神を退治するおはなし。


むむ??
と考えて、わかったよ。

地元の民話では
「異なる者」は退治されることがないの。
畏敬の念を持ってその土地を禁忌、聖なる土地として近づかないことにしたり、
お供えしたりお参りしたり、崇めたり、
狐や狸の類であればちょっとこらしめたり。

とにかく、「異なる者」として距離を置いて共存することが
常に描かれている。


神話は、やっつけちゃうんだよなあ…


なんだか、人類の自然への征服心の発露、のように感じられて
いやんなっちゃったのさ。


「もののけ姫」を初めて見たときに、
一緒には住めないけれど「ともに生きよう」
という結論を出した宮崎監督に衝撃をうけたんだけれど、
地元の民話ではそれが常識として描かれていて。
そこが大好きで。


ということで
今は神話は語ることができないようです。
ひとまず、ヤマタノオロチ的なおはなしは。

また時がたてば、別の想いも生まれて語ることができる時がくるかもしれませんが。



ことしの抱負の「100話」ってのは
実は、民話の持つこういう特質を、
体にしみこませることで感覚的に理解したい、
という気持ちから来ているのです。

今は、ひとつひとつのおはなしとていねいにおつきあいすることより
全体を俯瞰してみたいなあ、と。


ではまた。