昨夜は金沢市民芸術村で「モモ」の公演でした。
たくさんの方が観に来てくださって、嬉しかった?
あの、ひとことひとことが宝石のようにきらめき深い意味をもっている児童文学を、ばっさりと最小限の言葉にしてしまうのは惜しい作業ではありましたが、その芯に持つ輝きだけをしっかりとお届けしたいと思っての脚本でした。「語り」は「読書体験」とは違って、そぎ落とした言葉のほうが力を持つからです。
音楽が世界観を伝えてくれました。フルートの上野賢治さんの音楽はいつも、少し離れたところから物語に寄り添ってくれて、即興のせめぎ合う感覚がとても好きなのです。ハープの上田智子さんとは初共演でしたが、カメの声までしてくださり(かわいかった) 本当に天から降ってくるような美しい音でした。高田伸一さんとの掛け合いもスリリングで、普段はひとりで語ってるから格別楽しいんです。
たくさんの友人が裏方で手伝ってくれて。演劇って舞台上ばかりがクローズアップされがちだけれど、たくさんのチカラがあわさって初めて上演できるんですよね。みなさんそれぞれの持ち場で活躍されている方で、金沢の演劇界って、ホント、昨日自分の舞台に立っていた方が翌日別の劇団の受付されてたりして、その気取らなさが素敵、と感じています。感謝です。
いろんなところでこの作品を上演したいと願っています。
金曜はライアー奏者の本倉晶子さんと一緒に松任西幼稚園さんで公演でした。
日頃から松任のおはなしの会さんや保育士さんのおはなしをたっぷり聞いて、おはなし大好きな子どもたち。その積み重ねって、実はすごく子どもたちを豊かに育ててるんですよね。
・いろんな詩「ゆき」。
・寺井のわらべうた「ぼたぼた雪」
・松任の浦島太郎民話「五本の石の木」
・おじゃみあそび
・「セッツ・ブーン」
・「ブレーメンの音楽隊」
地元の民話を方言で語ること。今回は実はそれが大きなテーマでもありました。自分の住んでいる土地を心の芯に持つことはとても大切なのだと思います。それが「大地に根を張って生きる」ことにつながる。震災以降、とても意識しているのです。いろんな矛盾や切なさを抱えながらも…。遠く離れて暮らすことになっても故郷は心の真ん中にいるのだと思います。
こどもたちも先生もお母さんたちも、心を尽くして準備してくださって、また一緒におはなしに参加してくださって、とてもあたたかで楽しい会になりました。主催してくださったPTAのお母さまたち、園長先生、ブレーメンの登場人物を即興で演じてくださった先生方、子どもたちと一緒にさんかしてくださったおかあさま(おばあちゃま)、ありがとうございました。