当日の写真をいただきましたのでご報告。
20日に能美市立博物館の素敵な展示室で、「のみにこカフェ 大人のおはなし会」に出演してきました。地元のベテラン語り手さんの語り4本、オカリナグループの素朴な音色に包まれ、40名のお客さんに来ていただけました。能美の麦茶や特産品の柚子を使ったお菓子つき♪ 町おこしのような活動です。
演劇や朗読とはまた違って、おはなし会で語られている語り手さんの語りはとても素朴で肩の力が抜けていて、隣で聞いていた方が「ちっとも疲れないでずっとずっと聞い...ていたくなるね」とおっしゃっていました。そうですね、元々民話の語りというのは寝物語で、お布団の中や囲炉裏で聞くものであったからかもしれませんね。それにみなさんかなりのベテランですから! それぞれ熟成された味です。
私は「東北まち物語紙芝居化100本プロジェクト」さんから送っていただいた「フクシマレジェンド」の紙芝居をさせていただきました。鬼子母神の伝説をベースを現在の福島につなげるかなり衝撃的なお話です。民話には、もちろん楽しい話や笑い話、ほっこりするような幸せなおはなしもありますが、民衆の恨みつらみを語り継ぐようなおはなし、むごいおはなしもたくさん伝えられています。現代の民話として、ちゃんと伝えていきたいと感じています。
以前にご紹介させていただいた漫画と、原作者のやべみゆきさんの語りのテキストがあります。これを読まれて何を感じていただけるでしょうか…。
マンガ版「フクシマ・レジェンド」
http://houden.net/post/60072847391
「フクシマ・レジェンド」 (2011年8月20日) やべ みゆき
http://www.fukushima-net.com/sites/other/7
私はこれまで「阿弖流為」や幕末の物語などを通して中央と東北の因縁も少しは知っておりましたが、東京に数年住んでいた者として、震災を機に田舎へ戻り、都会の狂気というものについて考えます。人は、大地とともに暮らす生活から離れると生き物として大切な感覚がなくなってしまうのではないか。また関西の片田舎で土にまみれていた時すら、自分が「根無し草」だと感じていました。大地、という言葉は、自然と故郷というふたつの意味を持ちます。今故郷に戻りしっかりと大地に根を張りだした自分を感じています。
自然と故郷、二つの意味で、福島の(いえ本当は福島だけではありません)喪失感はいかほどのものか。だからこそ彼の地で生きていきたいという想いもまた理解できる気がします。今の私にとってこの紙芝居は痛切に自分自身の問題であり、語り部として、語らねばならないと強く感じています。
この紙芝居100本プロジェクトにはきっと、一本一本、そういった切実な想いが大切に塗り込められているのでしょう。関わっておられるみなさんに感謝します。これからとてつもなく大きな意味を持っていくプロジェクトだと思います。ご縁をいただけたことに感謝しています。
最後に夏休みの演劇合宿の報告もさせていただけました。地元の方に知っていただくいい機会になって、望外のヨロコビ。
ご来場くださった方、スタッフのみなさま、いい会になりました。ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます