明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

今日の視点(31)政治とカネの問題を根本から解決する(下)

2024-05-28 18:01:00 | 私の意見
(前回からの続き)国民は政治にもっと関心を持つべきでは無いでしょうか。ヨーロッパの子供は小さいうちから、政治に関しても「一端の意見」を言うと聞きます。日本も小学校の授業に「政治」を追加して、国民皆んなが政治を自分の事として考える習慣を身につけるべきだと思うのですが如何でしょう?。日本人は余りにも政治に関して「発言しない」ですね、何故でしょう?

子供のうちから授業の中で喧々諤々議論を戦わせ、その中で「考える力」を育てていく、というのが私の考える教育改革であり政治改革の基礎でもあります。・・・が、喫緊の課題である「政治とカネ」の問題解決には余りにも時間が掛かり過ぎて、目下の政治資金と裏金問題には間に合わないのが難点です(勿論この改革は並行して実施するべきですが)。

で、取り敢えず問題解決の方策として私の提案する「新・代議員システム」を説明しようと思います。

まず前提として、裏金問題とか政治に金がかかるとか、これら全ての悪しき風習は「一人の人間に権限を委ねる」事から発生していると私は考えました(江戸時代のお上意識が根深く残っているのでは?。要するに、個人主義じゃなくて全体主義)。政治を他人に任せず全部自分で考えて、「自分の到達した結論で勝負する」のが民主主義じゃないでしょうか。その為には情報収集や問題点の洗い出しや、解決策の考え方などの地道な作業を有権者の代わりに「アシスタント」として集めた上で、一緒に分析・考察する役目の「プロフェッショナル」なメンバーを選び、自分の「意見の代表」として検討・議論してもらうというやり方です。それが国民全員を政治的に育てていく唯一の方法だと思います。

具体的には

1、問題が出て来た段階で、その問題について自分の考えを代表してくれる「意見代表者」を有権者は選ぶことが出来る(意見の数だけ代表者が出るので、選挙のような「勝った負けた」は存在しない)

2、意見代表者は当該問題について徹底して情報収集し、現状分析・未来予測などを検討・議論して「代表が一団となって」最善の解決策を考えだす

3、議論は「公開」し、有権者はいつでもメール等で意見を伝えることが可能である。また、意見代表者も有権者の一人として皆んなと一緒に解決策を考え、自分が代表している意見をまとめていく

4、有権者は議論の途中で「意見代表者」が自分の考えとどうも違うなと思ったら、随時変更することが可能である

5、一定期間議論して「全員一致した最終結論」に到達出来なかった場合は、民主主義の原理に従って「有権者の多数決」で決着する

6、結論はそのまま実行され、実施内容を検証して結果を報告・公表する。勿論、失敗することもあるので後々の議論のために結果は正確に記録しておくものとする

以上です。

このシステムは政治家という職業をなくし、代わりに意見代表者として、例えば弁護士のような国家資格を持った「重要問題解決者」という職業を作って、国民の代わりに意見を戦わせて貰うのです。この人達は何よりも「並外れた正確な判断力」が求められていて、政治家のように「政策決定者として全てを任される」のでは無く、あくまで「意見代表者」という立場で議論するのが画期的だと言えます。しかし、同じ意見の人が何十人も議場にいては議論がまとまらないので、一つの議題については各意見一人ずつとするか、あるいは2人、3人ずつでも良いでしょう。要は代表者が議論することです。勿論、有権者は当該問題ごとに「別の新しい代表者」を選ぶのは自由です。有権者は政策決定に影響力を発揮する候補者に投票して、自分の利益になるような政治をしてくれると「期待出来る人」を政治家に選ぶのでは無く、より直接的に「自分の意見を伝えてくれる人」を選ぶシステムとなります。多少変則的ではありますが「本物の直接民主制」になるのでは、と私は考えています。

どちらにしても選ぶのだから同じじゃん、と思われるかもしれませんが、前者は政治家が政治をやり、後者は有権者一人ひとりが意見代表者を通じて「政治を直接行う」という点が決定的に違うと思います。意見代表者には何の特権的な地位も与えられてはおらず、当然だが「権限・権力」も無い、政治的には有権者と同じ「無力な立場」です。ただ、「国民の意見を代表している」という意味では、実質的には「国権の最高機関」を代弁していると言えるでしょう(いうまでも無いが民主主義においては、最高の意思決定権者は国民です)。もしこの人が自分の思い通りにならなければ、「金で何かをやってもらう」のではなくて、単に「別の人を選べ」ば済みます。ここが「政治に金のかかる」現行のシステムと、根本的に違う点だと言えるでしょう。言わば「国民全員が政治家」になるわけです。

現在、自民党を含めて政界は裏金問題で大揺れに揺れています。これは人類発祥の古くから「権力は金で操作できる」の理屈通りにピッタリそのまま当て嵌まる「見事な事例」となりました。それもこれも国民(有権者)が余り深く考えずに自民党という無難な政党に投票して、その結果「一党独裁」を招いた事が全ての原点でした。今でも政治家を判断するのは「どういう政策を行うか」ではなくて、結局のところ「金で動くかどうか」なんですね、寂しい限りです。ですがこういう「金にまつわる不祥事」は、この「意見代表者制度」を採用することで「抜本的・不可逆的に根絶させることが出来る」と私は考えました。一件落着!

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では、色んな意見がある中で最善の策を選ぶためには何が必要でしょうか?

それは情報を正しく把握して「一つ一つ、正確な判断」をしながら問題点を集約していき、皆んなが求めている結果を出すには「これしか無いよね」と、全員が納得するような結論に導き到達する事です。当然、意見代表者で議論に参加するためには「それ相当の分析力・判断力・独創的発想力・具体的表現力」が求められるわけで、だから国家資格が必要かと。中には「全員が納得するなんて不可能!」と思われる方が居られると思いますが、それは「利害対立している場合」だと思います。全員が、日本という国に住んでいる人々の生活を何とかして良くしたい!と願っているのであれば、意見が一致しない訳は無いと私は信じています(つまり全員の目的は同じである)。

国会で質疑応答が噛み合わないのは偏に、問題と関係ない「別のこと、要するに議員たちの利害が絡んでいるから」に間違いありません。これではそもそも「全員一致した解決」など得られる訳がないと言えるでしょう。もし国会で議論するのであれば、利害の対立を「乗り越える価値を創造する」ことが最も重要になると思います。利害を絡めずに「問題をその範囲に区切って」真剣に討議すれば、納得する結論に達しない筈が無いと私は思うのですが(あらゆる条件を含めて考えれば、その時点での正解は一つしか無いと思う。色んな方向が考えられて「迷う」ということは有り得るが、我々は最善の方法を「一つ」選ぶことしか出来ないのだから、その意味で「一致した結論」にはなると思います)。

そう成らないのは議論のやり方が下手であるか、或いは立場や名誉などの関係ない理由で「一方の意見に固執している」かの何れかでは無いでしょうか。意見代表者は、あくまで正しい結論に到達するために「相手方と一緒に答えを考える協働メンバー」として議場に参加します。彼らはその為の「資格」を持っており、優秀な意見代表者として訓練された議論のプロフェッショナルです。国民は意見代表の議論を聞き、あるいはその公開された中間報告を読みながら「何が正しいかの思考の道筋」を理解する事で、正しい答えに「自然と到達する」ように学習していく事になります。物事は何でも一朝一夕には出来ないのだから、これから長いこと努力して日本人の政治能力を高めて行きましょう!(ローマは一日にして成らず、である)。

なお、有権者の範囲は問題によっては、限定・制限されることもあり得るでしょう。例えばどっかの裏山の崩落防止問題や一部の漁港の漁業権の問題などは、意見代表者を選ぶ有権者は「利害関係者」に限定しても良さそうです。それと「議論監視人=レフェリー(国家資格)」を意見代表者とは別に「3人程度」が同席して、議事進行や発言内容が理論的に正当かどうかを「監視・正常化」することが絶対必要です。国会では議長がこの役目ですが、例えば「誰がやったのか?」という質問にのらりくらりと逃げて答えようとしない答弁者がいた場合、議論に相応しくない態度にイエローカードを出して「答えなさい!」とハッキリ正しく答えさせるような「毅然とした行動」を議長が示していれば、こんな裏金問題などは最初っから起きなかったと私は思います(歴代議長はそもそも何のために議場に座っているのか、甚だ疑問)。そういう意味では、議長も「裁判官のように」的確な議論というものがどういうものか勉強し、議論が正しい結論に到達するように進行を制御することが求められると考えます(将来は ChatGPTが代行するのかも)。

とにかく国会が討議の場になっていないのが問題の全てである。

・・・・・・・・・・(下)

結論は、政治家システムを廃止して「意見代表制システム」に変更すれば解決するのでは。政治家がいくらお金で票を集めても意見代表者は人数が決まっているので無意味だし、お金で結論を捻じ曲げようとしても「議論監視人=レフェリー」がいるのでそういう不正は出来ない。つまり議論だけに集中すれば、お金なんて1円もかからないのである。如何だろうか?(但し、議論に参加する意見代表者には「全員に均等」で幾らかの参加報酬を支払うべき)。

なお、国民と意見代表者との間の連絡は、「マイナンバーで登録された有権者名簿によるメールのやり取り」で行うのが簡単だ。集まったメールはいちいち意見代表者が目を通すのでなく、AIで解析して内容をまとめ、それを活用するものとしたい。AIなら何十万件というメールでも一発で仕分けし、簡単に要点を箇条書きしてくれるから問題なしだ。当然、投票もメールで行うので「経費はゼロ」、告知や投票券の発送や会場の費用それに集計人員もゼロで、10分もすればあっさり結果が出るから手間要らずである。おまけに途中経過も何でもござれだから締め切り時間までいくらでも再投票して変えることが出来る。この良いことづくめのデジタル化に「執念深く反対する人海戦術最高!勢力」は、単に「やったことが無い」というだけの頭の悪い連中だからあっさり無視して、さっさとデジタル化を推進した方がいいと思う。何より、問題が発生するごとに意見代表者を選ぶことが出来るという「きめ細かさ」が素晴らしい。何年も一人の政治家に「自分の運命を丸投げする」なんて不条理は、この際、自由で独立した個人としてやめて貰おう。

我々はいつまでも「政治家という上級国民を選ぶだけの一般大衆ではないしもっと言えば、お上に税金を納める為にだけ生きることを許された「奴隷」ではないのである。我々は一人一人政治的意見を持った「個人」なのである。自分の事は自分で決めようではないか!

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と言うわけで、そろそろ「政治とカネの問題」に終止符を打つ時が来たんじゃないかな?

一切お金の掛からない政治を望むなら、私の提案する「意見代表制」を導入して、薄汚れた政治家を一掃しましょう!


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