たまたま録画しておいた番組をいつものように漫然と見ていたが、イスタンブールの街並みをぐるぐる歩いている中で思わず感心することがあった。それは「イスラム教の信仰心」についてである。トルコではイスラムの一般的なイメージとはだいぶ違って、女性のヒジャブ着用に始まって飲酒や礼拝すら「個人の自由裁量」に任されているらしいのだ。女性の権利などもよっぽど日本と比べればしっかり尊重されている風に見える。さらに言えば、トルコじゃ「むしろ、神よりも人間」が大事なんじゃないか?とさえ思える程に「自由がすべて」だと感じた。なんとも素晴らしいじゃありませんか!
それは太古よりこの中東の地に育まれていた民族抗争の連続と残虐な争い、そして暴力に支えられた絶対王権の圧政と富の集中の中で「たった一人の人間」が立ち上がり、民衆を救う苦難の戦いの末の「偉大な勝利」によって獲得した「トルコ人の宝」とも讃えられている「共通認識」なのだ。で、その英雄とは誰か?というと、トルコでは知らぬ者の無い「アタチュルク」その人である。
建国の父としての国民的人気は絶対無二であり、彼の命日の亡くなった時間になると全国民は何をしていても即やめて直立不動の姿勢になり、「黙祷を捧げる」姿は感動すら覚える。勿論走っている車もすべて停車し、地下鉄でも乗客は全員立ち上がって静かに頭を垂れるのだ。私がこれを美しい光景と感じた理由は彼が何かの権威を持っていたからではなく、ただ一つ「人間に自由を齎したから」という事である。何もかもが人間のの自由裁量に任されているのだ。人々はそれぞれに色んな選択肢を考えながら自分の意思でどうするか決めていく。そして周囲の者は「その選択を尊重する」というのが社会のルールとして暗黙の裡にトルコ人の身体に沁み込んでいるのだ。日本人には中々真似のできない習慣である。トルコ、素晴らしい国と思う。
自由って大事だよね、なんかトルコが急に好きになった。個人の選択の自由と他人の意見を尊重する意識、そしてお互いを助け合う気持ちが美しい街並みを包んでいる。そんなイスタンブールに行ってみたくなった。
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