週末、久しぶりに家族で遠出したから、その話を書こうと思ったり、最近読んだ本の話を書こうと思ったりしましたが、気がかわって、昔愛読していた話を、ちょっと書きます。昔話が多くなったのは、年取った証拠かな。
大学生の頃は、またいろいろ本を読んだ時期でしたが(忙しい時代は、なかなか読めない)、特に好きだったのは、ウィリアム=サローヤン、オー=ヘンリー、寺山修司でしょうか。どれも、最初に読んだのは、小中高の学校の教科書だったと思います。それで、興味をおぼえて、他の作品も読んだかな。
寺山修司は、歌人として出発して、アンダーグラウンド劇団も率いていた劇作家ですが、多作で、「家出のすすめ」など、衝撃作品も多く、大人では、眉をひそめる人もいるようなひとです。ですが、いろいろなげかけてくる言葉が、私には刺激的でバイブルのように、大切に持っていました。今でも大事に持っていて、こないだそっとひらいてみましたが、「私、こんなの読んでたんだ」と自分でもびっくりしてしまいました。
当時の私は、漫画家のヤマザキマリさんほどではなかったとは思いますが、自分のアイデンティティを探すのに、本当に苦しんでいて、その私に、衝撃的に訴えかける本でした。「命みじかし、恋せよ乙女(歌謡曲の引用みたいです)」「幸せとは、満腹とか満足ということではない。幸せとは、自分にとってなにが幸せかを想像することからはじまる」「現代を生きていくのに必要なのはほんの少しの優しさである」「お金の価値は人それぞれ。自分にとってとても大事なものにばんと使って、あとは質素でもいいじゃないか(一点豪華主義と言っていました)」それらの言葉は、今でも心のなかに残っていて、私を支え続けています。
オー=ヘンリーとウィリアム=サローヤンは、働く人々、庶民に向けるあたたかな目が大好きでした。特に好きなのは、オー=ヘンリーでは、月並みですが、「賢者の贈り物」「最後の一葉」。メジャーな話ではありませんが、タイプライターの打ち方のくせから、昔の別れた恋人を見つけ出すお話なども、好きでした。人間のよい面を見るというか、人間社会で生きていくのに、希望がもてるお話たちです。
サローヤンは、中学の英語の教科書に載っていた、郵便配達のホーマー少年の話が好きでした。他にも、「リトルチルドレン」「ディアベイビー」など、好きな話は、いろいろありますが、ホーマー少年の話が出ている「人間喜劇」は、入手はしてあるのですが、まだ全部は読めてないんですよね。今度また、読んでみようかな。
それにしても、人間は、賢さ、優しさ、想像力、、いいものもいっぱいもっているのに、21世紀になっても、人間同士大量に殺し合う戦争がなくならないのは、なぜなんだろう。