12月に入りましたね。大掃除は、急にひまになってしまった11月中に、だいたい済んだので、今日は、今年読んで面白かった本について書きたいと思います。といっても、仕事で使っていた子どもの本以外は、あまり読んでなかったので、「今年読んだ本」というのが、ほんとうのところかな。
1冊目: ぼくのおとうさん
(新潮社 2021年刊行)
漫画「大家さんと僕」で大変話題になった、お笑い芸人カラテカの矢部太郎さんが、あたたかい言葉とタッチで、ご自身のお父さんについて描いた漫画です。
太郎さんのお父さんは、太郎さんが生まれたときには、会社をやめていて、お母さんがかわりにお勤めに行き、お父さんは、家事をやったり、絵の仕事をしたりしていたようです。そんなお父さんに、太郎さんは少々不満を抱えていたようですが、手作りのおもちゃを作ってくれたり、山にたくさん山菜を取りにいったりというような、質素でのどかであたたかな暮らしは、ゆっくりとときの流れる、得難い時間だっただろうなと、読んでいて、じわーっと、染みてきました。
ちょっと話がそれますが、太郎さんのお父様、やべみつのりさんの作品は、紙芝居などを、太郎さんのお父さんと知らずに、仕事先のこども園で、何度も読ませてもらっていました。ガイコツのほねほねマンとガイコツ犬ほねほねが、活躍する(ずっこける?)紙芝居でしたが、子どもたちには、非常に受けがよかったです。子どもの心がわかる、子どもの心を持った方なのだなあ、と感じていました。
2冊目: ヴィオラ母さん
(文藝春秋 2019年刊)
2冊目は、映画「テルマエ・ロマエ」の原作の漫画で知られるヤマザキマリさんの、破天荒なお母様のお話です。
ヤマザキマリさんのお母様は、実は、札幌交響楽団の設立当初のヴィオラ奏者として、関東から親の反対を押しきって、単身で北海道に渡り、そこで出会った夫ととも死に別れて、母ひとりで、北の大地で、子どもを育てながら、ヴィオラ奏者やバイオリンの先生をしていたすごい方なんです。その独特な子育て法と、お母様の激しい気性に、マリさんも少々不満を感じつつも、母の生き方にどこかで影響を受け、ご自身も、未婚で母になったり、その後漫画家として大活躍し、またイタリアの人と結婚して、世界中を渡り歩いたり、なかなか激しい人生を歩まれたようです。(以前、安住さんのラジオにマリさんがゲストで出られていて、かなりの迫力と話術の巧みさに、大笑いさせてもらいました。余談ですが)
マリさんのお母様の子育ては、今では、ネグレクトともとられかねない部分も、ありはしますが、自分の価値観をしっかり持ち、夢に向かってまい進する後ろ姿に、子どもたちは、何かを学んだのでしょうね。
子育てって、なにが正解とかではない、親もひとりのひととして生きているし、その後ろ姿から、子どもは、なにかを感じとるんだな、と思いました。
私も、けっしてよい母親でもありませんが、子どもたちがなにかを感じて、すくすく育ってくれたら、嬉しいです。
そして、最近思うのですが、昔、親のこんなところ、ちょっと嫌だな、と思っていたところが、年月を経て、自分も似てきているところがあって、ドキッとすることがあります。
私の仕事熱心でかなり独特だった母も
、亡くなって丸2年が経ちました。天国で元気にしてるかな。