第45章「日本のつぎの節目」を抜粋掲載します。
現在展開している「富の未来(下)」「第10部 地殻変動」は、本書の核心部分をまとめた最終部です。過去のブログページに「目次」を掲載していますので、参照ください。
下巻最後の第10部は、第44章「中国」、第45章「日本」、第46章「韓国」、第47章「ヨーロッパ」、第48章「アメリカ国内情勢」、第49章「アメリカ国外情勢」、第50章「目に見えないゲーム」、そして「終わりに - 始まりは終わった」で完了します。
昨年5月からスタートしたブログですが、最初に引用した文言が「終わりに - 始まりは終わった」でしたね。様々な理由は、書き込んでいますので参照してください。
この第10部が大切なところですので、今後とも余り速く展開せず、章ごとに参考事例を重ねながら展開していきます。
上巻 第4部「空間の拡張」を再度読み直すと、何故第10部で中国~日本~韓国~ヨーロッパ~アメリカと展開したか、理会できます。遡って過去のブログを読んでください。
「ファンダメンタル」という言葉が死語になったように、経済学の未来は飛躍的に変化しているとするトフラー理論は、基礎的条件の深部にある「時間」・「空間」・「知識」の3つを分かりやすく解説し、2006年当時までの最新事情を重ねながら、わくわくするような未来学の展開をしているのです。
さて、今も残る日本の構造的硬直性を日経ビジネス記事から見てみましょう。題して『親が子供の就職の世話をする』という話です。私ごとですが、町内会の役員で「成人式」運営を長年やっていますが、年々「父母同伴で成人式参加はできないのか?」という注文?が増えています。どうなっているんでしょうかね。小学校や高校くらいまでの入学式、卒業式は、まあ仕方ないかと思いますが、成人式に親が来るとか、会社の入社式にも親が出てくる?終いには新婚旅行から墓問題まで親が同伴するんでしょうか?まさに「時間」も「空間」も「知識」も無視したタコツボ硬直化のように見えるのですが。麓幸子先生すみません。これはあくまでも参考事例で否定しているのではありません。
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<緊急セミナー>我が子を就職難民にしないために、今、親がすべきこと
親の「就活の正しい知識」と「的確なサポート」が内定を生む! 【就職大困難時代】親子で乗り切る術をお伝えいたします。
【開催日時】2012年3月18日(日)13:00~16:00(12:30受付開始)
【会場】UDXギャラリーネクスト (秋葉原駅)
【主催】日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/oya/120318/
★満席間近★
満席になり次第、申し込みを締め切らせていただきます!お申込みお急ぎください。
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>> 8万8000人もの学生の就職が決まらないこの時代 <<
>> 親子で就活は常識です <<
2011年3月に卒業した学生の内定率は4月1日時点で91.0%。前年に比べ0.8ポイント減少、この数字は調査を開始した1996年以降で過去最悪の数字となりました。
また就職できないまま大学を卒業した人数は8万8000人にも達します。大学を卒業して就職した34万人と比較して、この数がいかに多いかがおわかりいただけると思います。
内定をひとつも取れず「若年無業者」になる学生が増える一方、希望企業からいくつも内定を取る学生も存在するなど就活格差が広がってきています。
この“受かる学生”“落ちる学生”の差はどこにあるのでしょうか?
答えは親の「就活の正しい知識」と「的確なサポート」にありました。
ビジネスマンの大先輩である親がいかに関わり、励まし、アドバイスをするかがお子さんの将来の最初の一歩を左右するのです。とはいえ、親も子もはじめての就活。こんな悩みはありませんか?
◎ 自分の時代の就活と違うというが、何が違うのか正直理解していないから、どうアドバイスしていいかわからない。
◎ 我が子が面接に落ち続けたら、就活をあきらめてしまっていたら、就職浪人をしたいと言われたら・・・いかに我が子と向き合い、アドバイスすればいいかわからない。
◎ ビジネスマンとしての自分の経験をどう伝えればよいか・・・身近な大先輩としていろいろアドバイスをしてあげたい。
正直、我が子の学校の就職の状況はどうなのかわからない。
●本セミナーで解決できます http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/oya/120318/
このセミナーでは日本経済新聞 電子版の人気連載 「母と子の444日就活戦争」の著者であり2011年4月に長男が就職、そして今年長女が就活生になる麓幸子『日経ウーマン』発行人が登壇。親として経験した平成の「シュウカツ」の実態と、ジャーナリストとして就活関係者や企業の採用担当者への取材でわかった「就職大困難時代」に勝ち抜くために親が知っておくべき情報と、親がすべきこと、してはいけないことをお伝えしていきます。
参考サイト
日本経済新聞 電子版へリンクします(無料の会員登録で記事をお読みいただけます)
講師の麓幸子氏が執筆する人気連載母と子の444日就活戦争http://nb241.jp/oya1/
今回のセミナーでは受講証をお届けする際、質問用紙を同封します。
当日受付にて質問用紙を回収し、参加者から寄せられたご質問に対し日経ウーマン発行人が会場で回答いたします。
なお当セミナー参加者には、講師である麓氏の著書 『就活生の親が今、知っておくべきこと』および「日経ビジネス」半年購読がつきます。 「日経ビジネス」は就職活動に向かうお子様
へのプレゼントにお役立てください。就職活動中のお子様を持つ方、必聴のセミナーです。
▼▼▼ セミナーのお申し込み、詳細はこちらから ▼▼▼
http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/oya/120318/
■■■■■■■■■■■■■【セミナー概要】■■■■■■■■■■■■■■
◆主 催 日経ビジネス
◆日 時 2012年3月18日(日)13:00~16:00(12:30受付開始)
◆会 場 UDXギャラリーネクスト (秋葉原駅)http://udx.jp/next/access.html
◆受講料 20,000円(税込)
★満席間近★
満席になり次第、申し込みを締め切らせていただきます!お申込みお急ぎください。
※本セミナーは「日経ビジネス」の購読および新書「就活生の親が今、知っておくべきこと」
(麓幸子著 / 日本経済新聞出版社)付となります。
※既に「日経ビジネス」「日経ビジネスDigital」をご購読いただいている方につきましては、現在の購読期間を延長いたします。購読延長期間はWEBサイトにてご確認ください。就職活動中のお子様をお持ちでない方へご案内を差し上げている、すでに本セミナーにお申し込みされている場合には、失礼の段、お詫び申し上げます。
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では本文を
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2006.6.7 REVOLUTIONARY WEALTH 富の未来(下)
第10部 地殻変動 P.232~P.253
第45章 日本のつぎの節目
1960年代に日本の池田勇人首相がフランスを訪問したとき、シャルル・ドゴール大統領は「あのトランジスターのセールスマンは誰なんだ」と聞いたといわれている。この失言は語り継がれてきたが、1960年代と70年代には、その経済規模と重要性を考えたとき、日本ほど国際社会で過小評価されている国はなかった。1980年代から90年代の初めにかけて、状況が正反対になっていた。突然に、円が基軸通貨としてのドルの地位を脅かすとされ、日本企業がハリウッドの映画会社やニューヨークのロックフェラー・センターを買収し、日本は「ナンバー・ワン」だと称賛された。「超大国」日本への恐れが世界各国のマスコミの経済欄で話題になった。(中略)
日本がとる道は、アメリカや欧州連合(EU)加盟国、韓国など、知識集約型産業に移行している国すべてにとってとくに重要になるだろう。これらの国は大規模な農業人口という重荷がないので、中国やインド、メキシコ、ブラジルと違って国内が三つのセクターに分かれてはおらず、縮小している工業セクターと成長する知識セクターという二つに分かれている。
カフェラテはいかが
日本の奇跡が1990年代に突然終わったのはなぜなのか。無数の論者が説明しようとしてきた。日本に起こったのは、なんとも不思議な不況であった。当時、東京の表参道を歩くと、ファッションに敏感な外国人や若者が店に立ち寄って、グランデ・ソイ・ヘーゼルナッツ・バニラ・ラテを飲んでおり、不況の影はどこにもなかった。(中略)日本で起こったことを説明するには、不動産バブルと銀行の不良債権だけでは不十分だ。日本経済を吹き飛ばした時限爆弾は、はるか前から時を刻んでいたのであり、実際には、基礎的条件の深部にある時間要因での失敗によるものなのである。
日本の不均衡な飛躍
前述のように日本は以前、先進的な情報技術を使って製造業基盤を革命的に変革し、輸出品の品質を劇的に高め、何よりも斬新な製品を世界市場に供給した。それとともに、ジャスト・イン・タイム(JIT)方式など、強力な経営手法を開発した。日本ほど短期間に成功を収めた例はかつてなかった。(中略)だが、本書で強調してきたように、科学と技術だけで先進的な経済が生まれるわけではない。そして知識集約型の経済で成功を収めるには、製造業だけを基盤にするわけにはいかない。先進的なサービス業も必要である。(中略)要するに、日本の経済発展が不均衡なことから、かなりの程度の同時性のズレが生まれており、いまだに日本経済全体に歪みが生じている。製造業とサービス業でいまだに同期がとれていないのだ。~日本はきわめて効率的な輸出産業ときわめて非効率的な国内産業の混合になって、機能不全に陥っている~今の世界で、これはとくに苦しい状況である。世界が変化したからだ。日本が輸出に頼って「奇跡」を起こしたとき、韓国、台湾、マレーシアなどのアジア諸国は、世界市場での競争にほとんど参加していなかった。中国は無関係だった。いまでは輸出市場での競争は行き過ぎではないとしても、熾烈になっている。このため輸出は日本の将来にとっていまでも重要だが、戦略の柱にはなりえない。日本は輸出産業と変わらないほど先駆的な国内経済を築いていかなければならない。成功をもたらした戦略に固執しているわけにはいかない。過去は過去なのだから。
柔軟な国
経済が加速するなかで重要な点があるとすれば、それは移りゆく状況に対応するのに不可欠な組織の柔軟性である。これは知識経済に移行している国のすべてにいえることだが、とくに日本にとって重要な点だ。工業時代の硬直的な規則によって、柔軟性をもつことがほぼ不可能になっているからだ。(中略)しかしそれ以上に重要な点は、巨大な規模に伴う柔軟性の欠如だ。小さな船なら巨大な戦艦より素早く方向を転換できる。そして変化が加速するいまの環境では、高速の方向転換が生き残りに不可欠である。
第三の波のこれまでの動きから学べる点があるとするなら、それは、シリコンバレーが示したように、小企業が世界を変えられることだ。~アメリカでは10人に1人が何らかの起業活動に関与している。日本では100人に1人だ。~日経ウィークリー紙によれば、1980年から2000年までに、アメリカでは大学が設立した企業が2,624社あるが、日本ではわずか240社であった。(以下略)
意思決定の遅れ
柔軟な知識集約型経済の発展を促す環境を作るには、日本はさらに、柔軟性の欠如をもたらしている社会的な規則を再検討しなければならない。そのひとつに意思決定方法の再検討がある(中略)だが、いまでは経済と社会で変化が加速し、複雑さが増しているので、計画を短時間で変更し、決定を素早く下す能力が生き残りのために不可欠となっている。日本の集団決定方式は今後衰えていくだろう。高速の変化から圧力を受け、個性を重視する若い世代が力をつけていくからだ。
男女間の分業はもう古い
変化が急速で、ときには複雑で混乱した時代に経済が発展するようにするには、役割構造の硬直性を解消していく必要がある。職業や職場での硬直性だけでなく、もっと深い水準にある家族内と男女間でも役割構造を柔軟にする必要がある。(中略)男女間の分業という古い考えは構造的な硬直性のひとつであり、日本経済が革命的な富の体制に向けて前進するうえで障害になっている。いま、知識経済を構築するために世界が競争しているなかで、かつて世界経済のリーダーだった日本は、国内の頭脳のうち半分しか使っていない。これは賢明な方法だとはいえない。
高齢化の波
起業の硬直性によって、計り知れない可能性をもつ女性の能力が活用されていないうえに、高齢者の能力も活用されていない。(中略)社会保障関連の統計だけに注目し、健康と医療の将来を考えないのは、官僚的な縄張り意識を反映した見方である。さらに、高齢者向けの支出が増えていくとき、他の年齢層向けの支出は減っていくのではないだろうか。~いま日本だけでなく、高齢化が進む国のすべてで必要とされているのは、もっと抜本的で、もっと創造的で全体的な解決策である。(以下略)
フィリピン人かロボットか
いま必要とされているのは要するに、高齢化の問題にはるかに創造的に対処することなのだ。それには官僚制度の縄張りを越えなければならないこともあるだろう。高齢者についての見方でもっとも問題なのは、「非生産的」な年齢層だとみる点だ。高齢者が非生産的だとはかぎらないし、金銭経済での生産だけではなく、生産消費者として生み出している経済的価値も考慮にいれれば、ほとんどの高齢者は非生産的ではない。(中略)生産消費者は前述のように、ボランティア活動で社会資本を生み出している。日本はこれを大幅に促進する方法を考えることもできる。~かつて小松左京は筆者に、高齢者介護をどうするかは少々無神経な言葉を使えば「フィリピン人かロボットか」の問題だと語ったが、実際にはさまざまな選択肢がある。(以下略)
つぎの節目
以上に明らかなように、日本はほぼすべての水準で構造的な硬直性という問題にぶつかっており、これを全体的に取り除くのは、銀行の不良債権の処理やサービス産業の技術と組織の後進性の解消よりむずかしいといえる。この構造的な硬直性こそが、急速に訪れる未来の課題に直面する日本にとって、最大の脅威になっている。世界のどの国でもそうだが日本でも、硬直性はどこかの時点で死後硬直になる。
だが2005年、自由民主党の小泉純一郎首相は驚くほどの政治的柔術を使って、長く続いた死後硬直を打破した。50年にわたって自民党にとって最大の票田であった農村の保守的な有権者に背を向け、都市の有権者の支持を集めて再選を果たしたのだ。
(中略)
おそらくは、官僚制度の権限、役割、構造について定期的な見直しを義務づける規定も必要だろう。女性の権利を高める規定も必要だ。そして外国からの移民と少数民族の役割と権利を再検討する規定も必要だろう。労働力の不足を補うためだけでなく、考え方と文化の多様性をもたらし、イノベーションを刺激して日本を豊かにするために移民を受け入れるべきだ。
(中略)
いま、日本はアメリカとの安全保障面の協力関係を強化すると同時に、中国との経済関係を強化しているので、今後、軍事衝突や感染症、環境破壊、宗教対立、テロの脅威にさらされているアジアの中心として、さらに重要性が高まる可能性がある。しかし逆に、アメリカに対しても中国に対しても、交渉力が弱まる可能性もある。
(中略)
~今後、日本も「複線」政策をとる必要がある。~知識に基づく革命的な経済と社会への移行を急速に完了しなければならない。国内で劇的な変化を必要とするにしても、そうしなければ、アニメ、漫画、ゲームに熱中する新しい世代は今後、日本が貧しくなり、不安定さをますアジアでの影響力が低下していく状況に苦しむことになろう。
日本は竹のようだといわれることがある。竹が成長していくとき、真っ直ぐで長く青い幹のところどころに、茶色がかった節ができる。真っ直ぐで青い部分は、日本が長期にわたって変化に抵抗するさまを象徴しており、節の部分は突然起こる革命的な変化を象徴しているという。
アメリカ、ヨーロッパ、中国、東アジアなど、世界各国の富の将来はかなりの程度まで、日本がつぎの節に近づいているかどうかに左右される。
現在展開している「富の未来(下)」「第10部 地殻変動」は、本書の核心部分をまとめた最終部です。過去のブログページに「目次」を掲載していますので、参照ください。
下巻最後の第10部は、第44章「中国」、第45章「日本」、第46章「韓国」、第47章「ヨーロッパ」、第48章「アメリカ国内情勢」、第49章「アメリカ国外情勢」、第50章「目に見えないゲーム」、そして「終わりに - 始まりは終わった」で完了します。
昨年5月からスタートしたブログですが、最初に引用した文言が「終わりに - 始まりは終わった」でしたね。様々な理由は、書き込んでいますので参照してください。
この第10部が大切なところですので、今後とも余り速く展開せず、章ごとに参考事例を重ねながら展開していきます。
上巻 第4部「空間の拡張」を再度読み直すと、何故第10部で中国~日本~韓国~ヨーロッパ~アメリカと展開したか、理会できます。遡って過去のブログを読んでください。
「ファンダメンタル」という言葉が死語になったように、経済学の未来は飛躍的に変化しているとするトフラー理論は、基礎的条件の深部にある「時間」・「空間」・「知識」の3つを分かりやすく解説し、2006年当時までの最新事情を重ねながら、わくわくするような未来学の展開をしているのです。
さて、今も残る日本の構造的硬直性を日経ビジネス記事から見てみましょう。題して『親が子供の就職の世話をする』という話です。私ごとですが、町内会の役員で「成人式」運営を長年やっていますが、年々「父母同伴で成人式参加はできないのか?」という注文?が増えています。どうなっているんでしょうかね。小学校や高校くらいまでの入学式、卒業式は、まあ仕方ないかと思いますが、成人式に親が来るとか、会社の入社式にも親が出てくる?終いには新婚旅行から墓問題まで親が同伴するんでしょうか?まさに「時間」も「空間」も「知識」も無視したタコツボ硬直化のように見えるのですが。麓幸子先生すみません。これはあくまでも参考事例で否定しているのではありません。
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<緊急セミナー>我が子を就職難民にしないために、今、親がすべきこと
親の「就活の正しい知識」と「的確なサポート」が内定を生む! 【就職大困難時代】親子で乗り切る術をお伝えいたします。
【開催日時】2012年3月18日(日)13:00~16:00(12:30受付開始)
【会場】UDXギャラリーネクスト (秋葉原駅)
【主催】日経ビジネス
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★満席間近★
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>> 8万8000人もの学生の就職が決まらないこの時代 <<
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2011年3月に卒業した学生の内定率は4月1日時点で91.0%。前年に比べ0.8ポイント減少、この数字は調査を開始した1996年以降で過去最悪の数字となりました。
また就職できないまま大学を卒業した人数は8万8000人にも達します。大学を卒業して就職した34万人と比較して、この数がいかに多いかがおわかりいただけると思います。
内定をひとつも取れず「若年無業者」になる学生が増える一方、希望企業からいくつも内定を取る学生も存在するなど就活格差が広がってきています。
この“受かる学生”“落ちる学生”の差はどこにあるのでしょうか?
答えは親の「就活の正しい知識」と「的確なサポート」にありました。
ビジネスマンの大先輩である親がいかに関わり、励まし、アドバイスをするかがお子さんの将来の最初の一歩を左右するのです。とはいえ、親も子もはじめての就活。こんな悩みはありませんか?
◎ 自分の時代の就活と違うというが、何が違うのか正直理解していないから、どうアドバイスしていいかわからない。
◎ 我が子が面接に落ち続けたら、就活をあきらめてしまっていたら、就職浪人をしたいと言われたら・・・いかに我が子と向き合い、アドバイスすればいいかわからない。
◎ ビジネスマンとしての自分の経験をどう伝えればよいか・・・身近な大先輩としていろいろアドバイスをしてあげたい。
正直、我が子の学校の就職の状況はどうなのかわからない。
●本セミナーで解決できます http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbsemi/oya/120318/
このセミナーでは日本経済新聞 電子版の人気連載 「母と子の444日就活戦争」の著者であり2011年4月に長男が就職、そして今年長女が就活生になる麓幸子『日経ウーマン』発行人が登壇。親として経験した平成の「シュウカツ」の実態と、ジャーナリストとして就活関係者や企業の採用担当者への取材でわかった「就職大困難時代」に勝ち抜くために親が知っておくべき情報と、親がすべきこと、してはいけないことをお伝えしていきます。
参考サイト
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2006.6.7 REVOLUTIONARY WEALTH 富の未来(下)
第10部 地殻変動 P.232~P.253
第45章 日本のつぎの節目
1960年代に日本の池田勇人首相がフランスを訪問したとき、シャルル・ドゴール大統領は「あのトランジスターのセールスマンは誰なんだ」と聞いたといわれている。この失言は語り継がれてきたが、1960年代と70年代には、その経済規模と重要性を考えたとき、日本ほど国際社会で過小評価されている国はなかった。1980年代から90年代の初めにかけて、状況が正反対になっていた。突然に、円が基軸通貨としてのドルの地位を脅かすとされ、日本企業がハリウッドの映画会社やニューヨークのロックフェラー・センターを買収し、日本は「ナンバー・ワン」だと称賛された。「超大国」日本への恐れが世界各国のマスコミの経済欄で話題になった。(中略)
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日本の不均衡な飛躍
前述のように日本は以前、先進的な情報技術を使って製造業基盤を革命的に変革し、輸出品の品質を劇的に高め、何よりも斬新な製品を世界市場に供給した。それとともに、ジャスト・イン・タイム(JIT)方式など、強力な経営手法を開発した。日本ほど短期間に成功を収めた例はかつてなかった。(中略)だが、本書で強調してきたように、科学と技術だけで先進的な経済が生まれるわけではない。そして知識集約型の経済で成功を収めるには、製造業だけを基盤にするわけにはいかない。先進的なサービス業も必要である。(中略)要するに、日本の経済発展が不均衡なことから、かなりの程度の同時性のズレが生まれており、いまだに日本経済全体に歪みが生じている。製造業とサービス業でいまだに同期がとれていないのだ。~日本はきわめて効率的な輸出産業ときわめて非効率的な国内産業の混合になって、機能不全に陥っている~今の世界で、これはとくに苦しい状況である。世界が変化したからだ。日本が輸出に頼って「奇跡」を起こしたとき、韓国、台湾、マレーシアなどのアジア諸国は、世界市場での競争にほとんど参加していなかった。中国は無関係だった。いまでは輸出市場での競争は行き過ぎではないとしても、熾烈になっている。このため輸出は日本の将来にとっていまでも重要だが、戦略の柱にはなりえない。日本は輸出産業と変わらないほど先駆的な国内経済を築いていかなければならない。成功をもたらした戦略に固執しているわけにはいかない。過去は過去なのだから。
柔軟な国
経済が加速するなかで重要な点があるとすれば、それは移りゆく状況に対応するのに不可欠な組織の柔軟性である。これは知識経済に移行している国のすべてにいえることだが、とくに日本にとって重要な点だ。工業時代の硬直的な規則によって、柔軟性をもつことがほぼ不可能になっているからだ。(中略)しかしそれ以上に重要な点は、巨大な規模に伴う柔軟性の欠如だ。小さな船なら巨大な戦艦より素早く方向を転換できる。そして変化が加速するいまの環境では、高速の方向転換が生き残りに不可欠である。
第三の波のこれまでの動きから学べる点があるとするなら、それは、シリコンバレーが示したように、小企業が世界を変えられることだ。~アメリカでは10人に1人が何らかの起業活動に関与している。日本では100人に1人だ。~日経ウィークリー紙によれば、1980年から2000年までに、アメリカでは大学が設立した企業が2,624社あるが、日本ではわずか240社であった。(以下略)
意思決定の遅れ
柔軟な知識集約型経済の発展を促す環境を作るには、日本はさらに、柔軟性の欠如をもたらしている社会的な規則を再検討しなければならない。そのひとつに意思決定方法の再検討がある(中略)だが、いまでは経済と社会で変化が加速し、複雑さが増しているので、計画を短時間で変更し、決定を素早く下す能力が生き残りのために不可欠となっている。日本の集団決定方式は今後衰えていくだろう。高速の変化から圧力を受け、個性を重視する若い世代が力をつけていくからだ。
男女間の分業はもう古い
変化が急速で、ときには複雑で混乱した時代に経済が発展するようにするには、役割構造の硬直性を解消していく必要がある。職業や職場での硬直性だけでなく、もっと深い水準にある家族内と男女間でも役割構造を柔軟にする必要がある。(中略)男女間の分業という古い考えは構造的な硬直性のひとつであり、日本経済が革命的な富の体制に向けて前進するうえで障害になっている。いま、知識経済を構築するために世界が競争しているなかで、かつて世界経済のリーダーだった日本は、国内の頭脳のうち半分しか使っていない。これは賢明な方法だとはいえない。
高齢化の波
起業の硬直性によって、計り知れない可能性をもつ女性の能力が活用されていないうえに、高齢者の能力も活用されていない。(中略)社会保障関連の統計だけに注目し、健康と医療の将来を考えないのは、官僚的な縄張り意識を反映した見方である。さらに、高齢者向けの支出が増えていくとき、他の年齢層向けの支出は減っていくのではないだろうか。~いま日本だけでなく、高齢化が進む国のすべてで必要とされているのは、もっと抜本的で、もっと創造的で全体的な解決策である。(以下略)
フィリピン人かロボットか
いま必要とされているのは要するに、高齢化の問題にはるかに創造的に対処することなのだ。それには官僚制度の縄張りを越えなければならないこともあるだろう。高齢者についての見方でもっとも問題なのは、「非生産的」な年齢層だとみる点だ。高齢者が非生産的だとはかぎらないし、金銭経済での生産だけではなく、生産消費者として生み出している経済的価値も考慮にいれれば、ほとんどの高齢者は非生産的ではない。(中略)生産消費者は前述のように、ボランティア活動で社会資本を生み出している。日本はこれを大幅に促進する方法を考えることもできる。~かつて小松左京は筆者に、高齢者介護をどうするかは少々無神経な言葉を使えば「フィリピン人かロボットか」の問題だと語ったが、実際にはさまざまな選択肢がある。(以下略)
つぎの節目
以上に明らかなように、日本はほぼすべての水準で構造的な硬直性という問題にぶつかっており、これを全体的に取り除くのは、銀行の不良債権の処理やサービス産業の技術と組織の後進性の解消よりむずかしいといえる。この構造的な硬直性こそが、急速に訪れる未来の課題に直面する日本にとって、最大の脅威になっている。世界のどの国でもそうだが日本でも、硬直性はどこかの時点で死後硬直になる。
だが2005年、自由民主党の小泉純一郎首相は驚くほどの政治的柔術を使って、長く続いた死後硬直を打破した。50年にわたって自民党にとって最大の票田であった農村の保守的な有権者に背を向け、都市の有権者の支持を集めて再選を果たしたのだ。
(中略)
おそらくは、官僚制度の権限、役割、構造について定期的な見直しを義務づける規定も必要だろう。女性の権利を高める規定も必要だ。そして外国からの移民と少数民族の役割と権利を再検討する規定も必要だろう。労働力の不足を補うためだけでなく、考え方と文化の多様性をもたらし、イノベーションを刺激して日本を豊かにするために移民を受け入れるべきだ。
(中略)
いま、日本はアメリカとの安全保障面の協力関係を強化すると同時に、中国との経済関係を強化しているので、今後、軍事衝突や感染症、環境破壊、宗教対立、テロの脅威にさらされているアジアの中心として、さらに重要性が高まる可能性がある。しかし逆に、アメリカに対しても中国に対しても、交渉力が弱まる可能性もある。
(中略)
~今後、日本も「複線」政策をとる必要がある。~知識に基づく革命的な経済と社会への移行を急速に完了しなければならない。国内で劇的な変化を必要とするにしても、そうしなければ、アニメ、漫画、ゲームに熱中する新しい世代は今後、日本が貧しくなり、不安定さをますアジアでの影響力が低下していく状況に苦しむことになろう。
日本は竹のようだといわれることがある。竹が成長していくとき、真っ直ぐで長く青い幹のところどころに、茶色がかった節ができる。真っ直ぐで青い部分は、日本が長期にわたって変化に抵抗するさまを象徴しており、節の部分は突然起こる革命的な変化を象徴しているという。
アメリカ、ヨーロッパ、中国、東アジアなど、世界各国の富の将来はかなりの程度まで、日本がつぎの節に近づいているかどうかに左右される。