秋も一段と深まり、紅葉の季節となりました。
今日は9月5日に開催したサイエンスカフェの様子をご紹介します。
今回のゲストは、国立科学博物館の奥山雄大さん。
主に筑波実験植物園で研究をされています。
タイトルにあるミステリーハンターとはもちろん奥山さんのこと。
チャルメルソウという植物に関する謎を解くため、世界中を飛び回っているんですよ。
左がゲストの奥山雄大さん。
ファシリテータはWEcafeスタッフの宮崎(右)が務めました。
全員の自己紹介が終わったら、ミステリーツアーのはじまりです♪
今夜最初のミステリーは、「虫はどうやって花という活路(エサ)を見出だしたのか」という参加者の方からのご質問。
植物の中には、自分の花粉を同じ種類の花に届けるために虫を利用しているものがいます。
虫がエサにしている蜜は、花に虫を誘うために植物が用意したものだそう。
ふむふむ、虫もタダで蜜や花粉をもらえるわけではなく、
体についた花粉を花から花へ運ぶことにより、しっかり受粉を手伝っているんですね~
花の写真を紹介中の奥山さん。
解説中のこの花は、花の内部にやってきた虫を一時的に閉じ込めておくような仕組みをもっています。
しかし、花と虫は助け合っていると思いきや、一方が騙しているという例も?!
その関係の多様さに、参加者の皆さんも興味津々です。
途中休憩ではお酒も入って、大人な雰囲気に
後半は、本日最大のミステリー、奥山さんが追いかけているチャルメルソウについて。
ここで、植物園から持ってきてくださった本物のチャルメルソウが登場!
左:コチャルメルソウ
右:チャルメルソウ
中央:人工的につくったチャルメルソウとコチャルメルソウの雑種
今の季節はチャルメルソウの花は咲いていませんが、実際の花がこちら(下写真:奥山さん提供)。
とっても奇妙な形ですよね(笑)
この形も、奥山さんを引きつけた理由の1つだそう。
この花には、どんな虫がやって来るのでしょう?
実は、奥山さんが研究を始めるまでは全く知られていませんでした。
奥山さんは京都の山奥にわけ入り(チャルメルソウの仲間は山地の湿っぽい場所に生息しています)、
チャルメルソウに虫がやって来るのをひたすら待ったそうです。
そして、ついにキノコバエという小さなハエが花粉を運んでいることを突き止めました。
まさにハンター☆
謎が謎を呼び・・・
「花と虫のミステリーハンター」も終わりの時間となりました。
しかし、奥山さんのチャルメルソウ研究はここで終わりではありません。
カフェが終了した後も多くの方が残って、写真で紹介した3種類のチャルメルソウにまつわるミステリーについて奥山さんと語り合いました。
(サイエンスカフェの様子は、当日のツイッターによる中継でもご覧になれます→ http://togetter.com/li/188611)
チャルメルソウにまつわるミステリーについての詳細は、国立科学博物館の研究者紹介ページでもご覧いただけます。気になった方はぜひ、覗いてみてください☆
11月もWEcafeのイベントを予定しております。ブログのチェックをお忘れなく!
文・宮崎寧子
ツイッター中継・須貝杏子
写真撮影・須貝杏子
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます