今年も終わりですね。
blog・facebook共に最近記事を書けなかったのは忙しかったからと、なぜか?パソコンに写真を取り込めなくなっていたからなのです。
12月半ば頃から不調で写真が入りません。SDカードリーダーの故障かも?
仕方ないので古いパソコンに取り込みメールで送ると言う面倒な作業を行いました。
さて、今回はテーブル天板の『吸い付き桟』の製作工程の紹介。
これまで何回か記事を書きましたが、今回は写真を多く撮り、説明致します。
まず、吸い付き桟とは・・・
板の伸縮を妨げずに反りを止める仕口の事で、アリ溝と呼ばれる台形の溝を掘り、それと同じ形に加工した角材を作り滑り込ませ固定するもの。固定と言っても接着剤は使いません。
昔からある蒸籠(せいろ)や鍋の木の蓋と同じ構造 と言えば分かりやすいかな。
① この様な治具を作り、ルーターで溝を掘ります。アリ溝ビットを付けて掘りますが、最初にストレートビットで荒堀りをしてからアリビットを使わないとビットを痛めます。
切削量が多いと、とがった刃先が欠ける事があるのです。
② こんな感じの溝が掘れます。 この溝ですが、片側だけ勾配がついているのです。
先に行くに従って細くなってます。2㎜ほど。
③この溝に合わせた角材を作り滑り込ませます。
④何度も削っては入れ、削っては入れ を繰り返します。
ショックレスハンマーで叩き、最後はクランプで押し込めます。
⑤しっかり押し込み蓋をします。今回は4本脚の幕板構造の脚が付くので蓋は接着剤で付けず、木ネジで止めました。
幕板の下になって見えないところにビスを打ちます。
⑥全体の写真がこれ 二本の吸い付き桟 同じ方向からではなく“互い違い”に入れてあります。
こうすることによって伸縮を妨げず位置もズレることがないのです。
吸い付き桟 何度やっても緊張する。ちょっと間違えば部材がパーになります。繊細な加工が必要なので時間もかかる。
それと、材のコンディションにも気を使います。
乾いた材を使わないと緩んでしまいます。入れる角材も太ければ良いってものではありません。太いと強度はありますが伸縮率が大きく緩みやすいのです。
細いと天板が反る力に負けてしまいます。
天板の厚みから計算して寸法を決めています。
なかなか難しい加工なのですが、ビシッと決まると丈夫で何年経っても歪みのない天板となるので大事な加工だと思っています。
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