新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊する地元住民への経済支援として、市町村が独自に1人1万円程度の現金などを給付する動きが群馬県内で広がっている。上毛新聞の集計(1日時点)で、16市町村が給付を決めているか既に実施した。子育て世帯に手厚くしたり、地元のみで使える商品券にしたりと各自治体で工夫を凝らしている。子育て世帯に上積みしたり給付対象を子どもに絞ったりするのは11市町村。沼田市が最大級の手厚さで、児童手当の対象者に1人5千円、対象を外れる高校2、3年生に1万5千円、18歳以上の学生に3万円を配る。国の特別定額給付金(10万円)で対象外の4月28日から7月末までに生まれた新生児にも1人10万円を給付する。渋川市は全ての小中学生に商品券1万円分を配るのに加え、経済的に困窮する要保護・準要保護の子どもに対して、新学期の休校期間(4月13日~5月6日)で給食がなかった分の昼食代として7千円を7日に給付する。同日以降の休校分にも今後対応する方針。昭和村は全世帯に1万円分の商品券を配った上で、園児と小中学生に現金1万円、要保護などの対象だとさらに1万円を振り込んでいる。 地元のみで使える商品券を配るのは、渋川、昭和を含む10市町村。太田市は「食べ盛りの中高生らに、新型コロナが落ち着いたら家族で外食してほしい」と、飲食店を応援する趣旨で食事券を配る。一方、富岡市は「即効性の観点から現金にした。地元で消費してほしいのは同じ」と説明する。大泉町は医療従事者に1万円、派遣切りや雇い止め、内定取消に遭った人に2万円、一人親家庭に商品券を1世帯1万円分、放課後児童クラブ支援員らに商品券5千円分などと多彩にそろえた。◎町村部が機動性発揮 全国一律の特別定額給付金と、ほぼ連動する市町村の独自支援で、町村部の機動的な動きが際立っている。上野、神流、下仁田、甘楽の4町村は1日までに独自の給付をほぼ完了させた。上野村は同日、国の給付金も県内の先陣を切って支給し、村民の9割に配り終えた。国の給付金の受取時期がばらつくのは、申請書の事務処理量に差があることが一因とされ、全国的に大都市は遅れがちとの指摘がある。県内でも、5月中に給付が始まるところが多いとみられるが、自治体間で前後する可能性がある。各自治体はマイナンバーカードを使ったオンライン申請を駆使するなどして一日でも早い給付を目指す。渋川、富岡、安中各市などは、今後ホームページに掲出する申請書を自ら印刷して記入、提出すれば、市からの申請書の郵送を待つよりも早く給付できるようにした。※引用しました!