「コメを作るな」価格高止まりでも減反を求める 農水省の「罪」https://t.co/9NgkdxA39d
— 気分上々マジックアワー (@kibunzyozyu) February 3, 2025
「コメを作るな」価格高止まりでも減反を求める 農水省の「罪」
「令和の米騒動」からほぼ半年たつ。コメの生産を抑える減反政策は続き、米価は高止まりしたままだ。「コメは余っている」と政府は繰り返すが、本当だろうか。農業問題に詳しい東京大大学院の鈴木宣弘・特任教授は「今こそ食糧安全保障の強化が求められるのに、コメ政策は逆行している」と訴える。行政の「罪」が浮かび上がる。【聞き手・宇田川恵】
政府の認識は誤り、生産が減りすぎだ
――昨夏の米騒動をどう振り返りますか。
騒動の最大の要因は、コメの生産が減りすぎていることです。それは「コメは余っている」という政府の認識自体が間違っているからです。
あれほどのコメ不足となったのに、しかも米価は今も高いままだというのに、農林水産省は「コメの需要は減少傾向にある」と言い続け、「とにかくコメは作るな」と農家に減反を迫っています。需要は年約10万トン減るから、それに合わせて生産を抑えようというのです。
実際、農水省は昨年10月末、2025年7月から1年間の需要量は前年より11万トン減って663万トンになるとの予測を示しました。
――「もっと作りたい」という農家はたくさんありますが、事実上、農水省の需要予測に基づいて生産量が配分されるので、好きなように作れないのですね。
そうです。昨夏の米騒動を経ても、政府は今までのコメ政策が失敗だったとは認めず、何の是正もしようとしません。このままでは、今後もちょっとしたきっかけでコメは品薄となり、コメ不足が慢性化する恐れがあります。
特に今年は、大手卸などが既に、競って新米を高値で買い集めてしまっています。だから価格は高止まりしたままだし、元々生産量に余裕がないから、端境期の夏ごろには再び米騒動が起きる可能性もあります。
――そもそも「コメは余っている」という政府の認識が問題なのですね。
その通りです。近年、猛暑など気候変動の影響で、低品質米が非常に増えています。作柄の良しあしを示す「作況指数」がいくら良好でも、低品質米が増えれば、主食米は減ります。昨夏のコメ不足もこれが一因だったことは間違いありません。
今後も猛暑が頻発すれば、低品質米はさらに増えるでしょう。しかし農水省はこの分を見込まずに供給予測を出しており、主食米が足りなくなる恐れがあるのです。
――食の好みの変化などから「コメ離れ」が進んでいると言われてきましたが、コメの需要は減らないのですか。
減らないどころか、需要はいくらでもあります。
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