70歳を超えた桃子さんが主人公。
東北弁で綴られる桃子さんの心の呟きが重くも温かい。
人は皆過去を引き摺って生きているのですし、行きつく先もまた皆同じわけでして、人それぞれですが、皆いつか通る道と感じつつ読みました。
人間の意志と関係なく、今や人生100年と心得て、どれだけ変わらぬ元気さを保てるかが問題だと憂える70代前後の心情をよく描かれていると感じました。
過去を振り返りつつ、先を思い . . . 本文を読む
銀河鉄道といえば、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』ですが、その宮沢賢治の父親を中心に書かれている小説。
宮沢賢治と、すぐ下の妹トシとの仲の良さなど書かれているものは読んだことがありますが、家長を中心に宮沢家そのものが書かれるというのも珍しいと思いました。
童話作家宮沢賢治が生まれる背景には、山や川などの自然環境や家族のつながり、父親の深い愛などがあったのだと、岩手県の風景を思い出しながら改めて感じ . . . 本文を読む