『銀河鉄道の父』 門井慶喜著（講談社）

銀河鉄道といえば、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』ですが、その宮沢賢治の父親を中心に書かれている小説。
　
宮沢賢治と、すぐ下の妹トシとの仲の良さなど書かれているものは読んだことがありますが、家長を中心に宮沢家そのものが書かれるというのも珍しいと思いました。

童話作家宮沢賢治が生まれる背景には、山や川などの自然環境や家族のつながり、父親の深い愛などがあったのだと、岩手県の風景を思い出しながら改めて感じます。

岩手山や早池峰山など、岩手の山々を歩いていて良かったなと思いつつ、読みながら情景を思い浮かべてました。

実際の所宮沢賢治が父親の事をどう思っていたのかは分からないと思いますが、その一生はあまりに短く、子に先立たれた親の悲しみを思うとさぞや辛かったろうと思います。

賢治没後に作品が認められたのは残念でしたが、何よりの親孝行だったのかもしれませんね。

	銀河鉄道の父
	門井慶喜
	講談社

	銀河鉄道の夜 (岩波少年文庫(012))
	宮沢 賢治
	岩波書店