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東京 【田渕俊夫と智積院 2009年1月】

2009年01月22日 | 関東地方
東京、日本橋高島屋で開かれていた同氏の「智積院講堂襖絵完成記念」展に。
テレビ番組で見たこともあり、是非とも一見したい作品です。

智積院は、京都東山にあり成田山新勝寺や川崎大師平間寺など全国に3.000あまりの末寺を持つ真言宗智山派の総本山です。
この寺には修学旅行やその後二度ほど訪ねたことがあります。門構えだけでも壮大な寺院です。 この寺院には長谷川等伯一門による障壁画でも有名です。

展示会はに、昨年の10月に完成した東京芸大副学長の田渕俊夫氏が5年余の歳月をかけ描いたものだそうです。

講堂の5室60面の襖絵がそのまま展示されています。 再度、智積院に戻れるのは今年の6月頃になるそうです。 それまでは、各地を巡回展示されます。

襖紙は四国の某企業が漉いた特注品のややベージュ色の和紙。墨は青味のある松煙墨を使用しているのかも知れませんが、小生にはよく判りません。
画面全体が銀色に感じる墨です。特に吹き墨された部分は銀色に感じます。

襖絵の半分は、近景を描き残りは遠景です。
近景の枝垂れ桜、すすき、やなぎ、めたけ、けやきなどは素晴らしいです。その前に立つとそれらの景色の中に自身が佇んでいる錯覚さえ覚えます。 桜は吉野桜のような淡いピンク色を感じますし、やなぎは軽やかな黄緑色とサラサラと流れる風を感じます。 すすきは枯れた白い穂が飛んでいるようです。めたけはツンとした緑の香りを感じます。
















これらの近景の襖絵を見る限り等伯や琳派の画家にも比肩するものです。
残念ながら(独善的ですが…)、遠景の襖絵にはまったく感情が沸いてきません。
どうしたことでしょう。「大悲の間の冬景色」は本来なら針葉樹のもつ峻烈な空気が必要なのですが、、、、、。その他の遠景の襖絵も同様です。
あまりにもそのインパクトに落差があるように感じます。
絵の一部を切り取ると近景になり妙味が出てきます。


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