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広島県 【鞆の浦】 2009年3月 (追記)2016年2月

2016年02月16日 | 中国地方
■追記■
このブログの末尾に記載した「鞆の浦埋め立て架橋計画」の問題が、2016年2月15日に漸く解決したとのニュースを目にしました。
ほんとうに、長い時間がかかりました。 
自然破壊問題や地域の資源価値とは何か?の意味が漸く理解されつつある現在、市民の声や意識に時代の方が追いついてきたようです。




鞆の浦(とものうら)は、広島県福山市の沼隈半島の南端にある古代より栄えた港・港町および海域です。その昔は鞆の津とも呼ばれ、静かな円形港湾です。
建武の新政後に後醍醐天皇との確執が起こった折りに、九州に逃れた足利尊氏軍が京に攻め上る際に弟・直義が上陸し東征したのがこの鞆津でした。その後、尊氏の庶子「直冬」が尊氏に攻め上る時にもこの津が要衝とされています。
中世の戦いにとっても、いつも重要な港でありました。


 現在、鞆港は福山港の一地区となっています。福山駅前から「鞆港」行きのバスで30分程度です。途中、芦田川に掛かる「草戸大橋」を渡ります。この上流の川沿いに「草戸町」があります。明王院と草戸稲荷神社の門前町です。この川の中州から鎌倉・室町時代300年に渡って栄えた「草戸千軒」と言われる大規模集落の遺跡が発見され、今は福山駅前の広島県立歴史博物館で見ることができます。


沿岸部と沖の島々一帯は「鞆公園」として国の名勝及び国立公園に指定され、1992年には都市景観100選に、2007年には美しい日本の歴史的風土100選にも選ばれたそうです。

沖の島のうち「仙酔島」には国民宿舎と旅館があります。小さいですがきれいな砂浜もあり夏の海水浴には格好の地形です。
渡り舟で三分の位置にあります。




古い町並みがよく残っています。街中を歩くと、江戸時代の港湾施設である常夜燈、雁木、波止場、船番所、酒造店、潮待ちの寺「対潮楼」などがあります。







対潮楼は鞆の港近くの高台に建つ寺院です。ここから「朝鮮通信使」達が鞆の浦の潮待ちをしていたそうです。 対潮楼は福禅寺の本堂の隣にある客殿です。
福禅寺は真言宗の仏教寺院で、創建は平安時代とのことです。







【メモ】
近年、宮崎駿が映画「崖の上のポニョ」の構想のために長期滞在したことなどから、全国的な関心を集めた屋敷もあります。
只、数年前からこの地では、「鞆の浦埋立て架橋計画問題」でこの街が耳目を集めてみいるそうです。

この計画で地域の活性化や振興がなされるのか本音のところは定かではありません。目先には確かに経済効果はあるのでしょうが、つまるところ、鞆の浦の持つ資産が死んでしまったら本末転倒でしょう。この点で保全を求める人々と事業者側との対立があります。
もっとも、この地域のホテルや国民宿舎も事業再建業者により運営されている事例がありますので、「明日の飯を食うより今日の飯を食いたい」と思う人心も判らない訳ではありません。(もっとも現実に利益を得る人たちはどの地方も同じように業界・事業者ばかりですが…地域住民は経済振興の美名を信じて最後は裏切られるのは歴史の常ではあります)

鞆の浦の歴史的景観の保全を求める立場の人々から反対の声が上がって、この運動には大林宣彦、宮崎駿らの著名な文化人や研究者も加わり活動していますが、小生を含めて、首都圏の観光客や他県の人は無関心です。


【DATA】「鞆の浦埋立て架橋計画問題」

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