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山崎裕二 活動誌 ブログ版

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行政不服審査会条例の制定について

2016-03-21 10:58:56 | 例規・条例改正・その他議案 確認

 本3月議会に提案中の議案のなかに、行政不服審査会条例の制定についてがあります。

 28年4月1日の新しい行政不服審査法(以下、改正法)の施行に合わせて、同審査会の設置が必要になりました。

 改正のポイントは、行政不服審査の公正性や使いやすさの向上に配慮した内容です。大きくは、①審理員による審理手続・第三者機関への諮問手続を導入したこと、 ②不服申立ての手続きを審査請求に一元化したこと、 ③審査請求をすることができる期間を3か月に延長したことです。

 改正法 第81条第1項により、

 地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く。

とし、第三者機関への諮問手続きの導入により、自治体に行政不服審査会設置を義務付けました。ただし、同法 同条2項により、

 前項の規定にかかわらず、地方公共団体は、当該地方公共団体における不服申立ての状況等に鑑み同項の機関を置くことが不適当又は困難であるときは、条例で定めるところにより、事件ごとに、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置くこととすることができる。

とし、同審査会の機関設計は、国と比べると柔軟であり、常設の機関を置くことが不適当又は困難である場合は、事件ごとの設置も可能としました。

 同規定により、例えば、ある特定の地方税法に関する不服申立てについて、当該事件のみを調査審議するため審査会を設置し、委員に税理士を含めるといった対応も可能です。

 また、自治体の審査会の設置及び組織については柔軟な対応が可能となった一方、同法 第81条第3

 前節第二款の規定は、前二項の機関について準用する。この場合において、第78条第4項及び第5項中「政令」とあるのは、「条例」と読み替えるものとする。

において、自治体の審査会は改正法に定める 

 第74条 審査会は、必要があると認める場合には、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人又は第43条第1項の規定により審査会に諮問をした審査庁(以下この款において「審査関係人」という。)にその主張を記載した書面(以下この款において「主張書面」という。)又は資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実の陳述又は鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる。

 第75条 審査会は、審査関係人の申立てがあった場合には、当該審査関係人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会が、その必要がないと認める場合には、この限りでない。

 2 前項本文の場合において、審査請求人又は参加人は、審査会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

 第76条 審査関係人は、審査会に対し、主張書面又は資料を提出することができる。この場合において、審査会が、主張書面又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

 第77条 審査会は、必要があると認める場合には、その指名する委員に、第74条の規定による調査をさせ、又は第75条第1項本文の規定による審査関係人の意見の陳述を聴かせることができる。

 第78条  審査関係人は、審査会に対し、審査会に提出された主張書面若しくは資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)又は当該主張書面若しくは当該資料の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。

 2 審査会は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付に係る主張書面又は資料の提出人の意見を聴かなければならない。ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

 3 審査会は、第1項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。

 4 第1項の規定による交付を受ける審査請求人又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

 5 審査会は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。

 第79条  審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。 

などの手続きの履践を求めています。ただし、同法 第43条第1項第4号において、

 審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、審査庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する庁の長である場合にあっては行政不服審査会に、審査庁が地方公共団体の長(地方公共団体の組合にあっては、長、管理者又は理事会)である場合にあっては第81条第1項又は第2項の機関に、それぞれ諮問しなければならない。

 4 審査請求人から、行政不服審査会又は第81条第1項若しくは第2項の機関(以下「行政不服審査会等」という。)への諮問を希望しない旨の申出がされている場合(参加人から、行政不服審査会等に諮問しないことについて反対する旨の申出がされている場合を除く。)

とし、迅速な裁決を希望する審査請求人に配慮し、審査請求人が希望しない場合は諮問は行いません。

 なお、総務省の調査によれば、21年度における新規の不服申立て(行政不服審査法及びその他の法律にもとづくもの)が1件もなかった市区は35.7%、町村は87.5%です。

 そのため、同法 第81条第4

 前3項に定めるもののほか、第1項又は第2項の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、当該機関を置く地方公共団体の条例(地方自治法第252条の7第1項の規定により共同設置する機関にあっては、同項の規約)で定める。

 地方自治法 第252条の7第1

 普通地方公共団体は、協議により規約を定め、共同して、第138条第1項若しくは第2項に規定する事務局若しくはその内部組織(次項及び第252条の13において「議会事務局」という。)、第138条の4第1項に規定する委員会若しくは委員、同条第3項に規定する附属機関、第156条第1項に規定する行政機関、第158条第1項に規定する内部組織、委員会若しくは委員の事務局若しくはその内部組織(次項及び第252条の13において「委員会事務局」という。)、普通地方公共団体の議会、長、委員会若しくは委員の事務を補助する職員又は第174条第1項に規定する専門委員を置くことができる。ただし、政令で定める委員会については、この限りでない。

において、複数自治体での共同設置も可能とし、条例で定めることとしています。


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