香月夕花さんの「見えない星に耳を澄ませて」(角川書店)を読了しました。
音大のピアノ科に通う曽我真尋は、
まぁこんな感じの内容です。音楽療法士というボクにとっては未知の職業への追体験を通じて、こちらがセラピーを受けている気分になりました。作者の書く文章がとても繊細かつ綺麗で、音の表現とか自然の表現とか、情景が想像しやすく本を読んでいるのに映画を見ているような感じを受けました。この小説、映像化されるかもね。「蜜蜂と遠雷」みたいに。
ただね。主人公の真尋に対する母親や祖母の言動に、「(やや病的な)生き方の違和感」を抱き続けて読み進めていたところに、最後の方で真尋自身の精神的な部分が明らかになり、「さぁこれからどうなるの?」ってところで小説は終わってしまいました。そこがちょっと残念だったかな(そこがいいのかも)。音楽療法を受ける数人のクライアントの人生がその後どうなっていくのか?(彼らがどう変化するのか?)というのも、気になるところです。
このところ夜すぐに眠くなって読書の時間がなかなかとれなかったので、図書館の貸出期間2週間ぎりぎりでようやく読み終わりました。次の本ももう来ているんだよなぁ…。まぁ読み終えなかったらそのまま返却するだけなので、気は楽なんですけどね。