タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹林や自然と共に生きる」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

エレジーは流れない(三浦しをん)

2025年01月16日 | 読みました!見ました!

”三浦しをん”さんの「エレジーは流れない」(双葉社)を読了しました。三浦さんの小説を読むのは、本屋大賞を受賞して映画にもなった「舟を編む」以来です。1か月ほど前に新聞に文庫本化された広告が出ていたのを見て、「面白そうだなぁ…」と思って図書館に予約を入れたら、意外に早く番が回ってきました。

「”三浦しをん”による王道ではない青春小説」というキャッチコピーの下、この本のウェブサイトには、こんな紹介が掲載されていました。


海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わっていたかつての面影はとうにない。のどかでさびれた温泉街に暮らす高校生の怜は、複雑な家庭の事情や、進路の選択、自由奔放な仲間たちに振り回されながら、悩み多き日々を送っていた。今日も学校の屋上で同級生4人と仲良く弁当を食べていたら、地元の「餅湯博物館」から縄文式土器が盗まれたとのニュースが入り…


この小説は、温泉街で暮らす高校生たちの話です。ぬるま湯に浸かっているみたいに、特に大きな事件もなく、将来への明確な夢もなく、かれらの日常はのんびりと過ぎていきます。私自身、高校生のころなどに「いまが一番いい時期よ」と大人からしばしば言われましたが、まったくピンと来なかったし、いま思い返しても「若い=夢や希望にあふれている=いい時期」だったとはちっとも思えません。ただ退屈で、さきが見えなくてちょっと不安で、でも友だちとおしゃべりしているのが楽しかったという感じです。事件や夢がなくても日常は営まれるよな、という思いをこめて書きました。そんな日常をおバカなノリで、けれど一生懸命に生きる登場人物たちを、応援していただければうれしいです。(三浦氏自身の紹介文)


ハラハラ・ドキドキするスリリングな場面はほとんどなく、青春時代の甘酸っぱい恋のかけひきもない。田舎の温泉街で繰り広げられる平凡な高校生たちの物語は、なんか自分自身の青春時代を思い出すような懐かしさを感じる(ボクの故郷は温泉街ではないけどね)ストーリーでした。お母さんが2人いて、2人とも伶くんのことを大切にしてくれているし、地域の人も友達もみんなが親身になってくれている。ほんわかした作品でした。

ところで表題の「エレジー」ですが、直訳すると「哀歌」ですよね。古賀政男の名曲「湯の町エレジー」が思い出されます。ですが、この小説の舞台「餅湯温泉」に、「エレジーは流れない」のです。エレジーではなく、「もっち もっち もっちゆ〜」の明るいテーマソングをボクも口ずさみながら(メロディーは適当)、この小説を読了しました。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 骨格の歪みを整える | トップ |   

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ルーティーンについて (蘭パパ)
2025-01-17 08:26:48
いつも楽しく読ませていただいています。一つ質問です。一日のルーティーンが知りたいです。なぜかと言うと、朝方にアルビのブログとタケタケブログが発信され、筆者のことが把握できますが、いつ本を読んで、アルバイトして、マラソンして、温泉巡りして、蕎麦目口して、卓球して、お酒を飲んで、飲み会に行ってと、これはすごく目まぐるしい毎日を送っている方だなとびっくりしたからです。私には1/10も真似できないので、参考にしたく質問いたしました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読みました!見ました!」カテゴリの最新記事