去年の7月に図書館に予約した池井戸潤の「俺たちの箱根駅伝(上)」が、ようやく順番が回ってきました。さすが人気作家・池井戸潤の作品です。期待以上に面白く、あっという間に読了してしまいました。
池井戸潤の小説って、「半沢直樹」や「花咲舞」などの銀行シリーズ、「下町ロケット」や「空飛ぶタイヤ」などの企業シリーズ、「陸王」や「ルーズヴェルト・ゲーム」などのスポーツシリーズなど、本当に多岐にわたります。この「俺たちの箱根駅伝」は、もちろん「箱根駅伝」をテーマにしたスポーツシリーズの小説です。期待に違わぬ面白さにグッと引き込まれてしまいました。
この小説は、箱根駅伝の本戦を逃した選手たちのみで結成された「学生連合」チームの話です。公式記録に残らない「学生連合」が箱根を走る意味とは何なのか?学生連合に参加する学生たちサイドと、箱根駅伝を中継するテレビ局側サイドの視点。同時並行で進んでいく構成なのですが、箱根駅伝を内と中の異なる視点から捉え、それにそれぞれの人間ドラマが加わるからとても面白いのですよ。
主人公である古豪・明誠学院大学陸上競技部の主将・青葉隼斗と、その他の学生連合参加選手それぞれの箱根駅伝への走りへの思いに心揺さぶられました。そして何より、明誠大学の新監督であり、学生連合チームも監督として指導する、甲斐真人のキャラクターの魅力にも魅せられます。上巻のラストは、箱根駅伝直前の最後の合宿の場面でした。なんかもう、感動で涙がこぼれてきましたよ。これ、絶対に映画かテレビドラマになりますね。
「もう一気に下巻まで読みたい!」ってところなのですが、いよいよ箱根駅伝の当日のレースが舞台になるであろう下巻は、図書館の予約が「あと34人待ち」なんですよ。う〜ん。この続きを読めるのは、まだ数か月先になりそうだなぁ。