タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹林や自然と共に生きる」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

死んだ山田と教室(金子玲介)

2025年01月24日 | 食いしん坊バンザイ

金子玲介さんの「死んだ山田と教室」(講談社)を読了しました。なんとも不思議な小説でした。

まずは、ストーリーの概要から。amazonに掲載されていた本書の紹介文書です。


夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、2年E組の人気者だった。2学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、2年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、2Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。


まぁこの物語は、こんな奇想天外なストーリーとして始まります。実にくだらない。くだらないけど面白い。なんか自分自身のくだらなかった高校生活を思い出しながら(ずいぶん昔の話だけどね)、途中まで読み進めました。死んだ山田と会話を始める合言葉は「おちんちん体操第二」。なんかもう予備知識無しで読み始めたので、「あら、そう来たか~!」って感じ。男子高校生のふざけたノリが、懐かしくて心地よかったです。

山田はクラスの人気者で、面白くて、良いやつ。 でも本当は根暗で、擦れたところのある。そんな人間臭くて魅力的な山田の人物像が、小説を読み進めるに従ってありありと思い浮かんでくるような作品でした。

春が来てクラスが替わり、春が来てみんな卒業し、また春が来て..。教室は次第に静かになっていき、2Eのクラスメイトの生活や記憶から消えていく山田の孤独。さらに、山田を忘れられない和久津の孤独。小説の終盤は、山田と和久津の友情と生き方の物語。生きることの大切さをこんな形で見せられようとはねぇ…。最後は衝撃のクライマックスでした。

いろんな小説があるなぁ…としみじみ思った読書経験でした。ドラマや映画にしても面白いかもね。

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