柚月裕子さんの短編集「チョウセンアサガオの咲く夏(角川書店)」を読了しました。柚月さんの作品は、映画化された「朽ちないサクラ」「月下のサクラ」などの警察シリーズや「教誨」「慈雨」「あしたの君へ」などを今までにも読んでいますが、いずれも長編サスペンスでした。彼女の短編小説を読むのは、ボクにとって初めてのことでした。
短編集なので、読みやすかったですね。「1日に1編ずつ読もう」ってベッドに持ち込んこんで読み始めたものの、「ついつい夢中になり結局2〜3編を読んじゃう」って感じで、数日間で読了してしまいました。角川書店のWEBサイトに紹介されていたこの本の紹介はこんな感じです。
柚月裕子の13年がつまった短編集
ストーリーのオチが割とボクの思い通りで「やっぱり!」って思ったものもあり、「瞽女」をテーマにした時代ものでは女性ならではのリスクに身につまされるものもあったり、猫が登場する短編も3つあり「柚木さんは猫好きなんだなぁ…」と思ったり、不妊に悩む夫婦をテーマにした「初孫」には「そういう結末かぁ…」と背筋がゾッとしたり。全ての作品がスルスル読めて、しかも面白かったです。
やっぱり、柚月裕子さんはたいしたものですね。書かれた小説に「ハズレ」がありません。それでいて決して読者に迎合しているわけではなく、それぞれの作品にしっかりしたテーマがあります。「また他の作品を読みたいな」と思わせる作家です。次は何を読もうかな?