内舘牧子さんの「老害の人(講談社)」を読了しました。『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く、筆者の「高齢者小説」の第4弾です。
なんかね。身につまされます。小説の登場人物の皆さんは、ボクらよりもひと世代上の年齢の方たちなんですが、「あぁこういう人たちっているよなぁ…」「こうはなりたくないよなぁ…」って思いながらも、彼らの言動に自分自身の言動との共通項を見つけ出したりして、「あぁやっぱりボクもこの世界に近づいている」ってことをこの小説を読みながら自覚したり自戒したりしました。まぁボクらにとっては反面教師的な小説でもありますね。
講談社のHPの掲載されていた紹介文はこんな感じです。
迷惑なの! と言われても。
昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。
まぁでもね。この老人たちが団結して生き甲斐を見つけていく姿は、高齢者への愛に満ち(だって筆者の内舘紙も高齢者だし…74歳か?)、ボクらに生きる指針と生き方のヒントを与えてくれる小説でもあるんですよ。
若干複雑な思いを抱きながらも、夢中になって読んでしまいました。面白かったです。
自分の母親は昨年秋に喉頭がんで亡くなりましたけど、「迷惑をそれほどかけずに逝ってくれてありがたかった…」と言うのが正直な気持ちでした。
書店で「老害の人(講談社)」見つけて読みたいな~と思っていたんですけど、八百政さん推しと言うことで、是非読みたいと思います。
ありがとうございました。
成田悠輔さんの「高齢者は集団自決を」発言、ボクは到底納得できませんね。人には「周りに迷惑をかけても生きる権利がある」とボクは思います。そうでなかったら、高齢者、障害者、長期療養者など、社会的弱者を切り捨てる世の中になってしまいます。
「老害の人」を読んで、またじっくり考えてみたいと思います。これからもよろしくお願いします。