80'sアーケードゲーム5本アンケート by OPENSPACE FUKUOKA 、集計その2です。
今回は年別ランキング・前編で、各年ごとに簡単な説明をつけていきます。
◎ 年別ランキング・前編
1980年 1981年 1982年 1983年 1984年
・アンケート元サイト:OPENSPACE FUKUOKA様
・集計結果置き場 ・データ(xlsx)ダウンロード
(↑のランキング画像をクリックすると、1980年全44機種のランキング結果に飛びます。以下も同様です。)
「ニチブツイヤー」
80年はニチブツイヤー!1位のムーンクレスタと2位のクレージークライマー、どちらも大傑作です。
また、ナムコのパックマン(3位)も大ヒット。日本以上に北米のブームがもの凄かったそうです。
ちなみに4位のギャラクシアンは79年製ですが、元のアンケートを尊重してこのままにしたいと思います。
「面パターンの違うゲーム」
81年、主流だった固定シューティングはギャラガ(1位)でほぼ完成の域に達し、以後は減少していきます。
対して、ドンキーコング(1位)とスクランブル(3位)は面ごとにパターンが違うのが画期的で、
・ワンパターンじゃないので飽きにくい
・次の面が見たくなる
・冒険している気分になれる
・最終面に来た時の高揚感
・一周クリアの達成感
・・・などなど長所だらけで大ヒット!
それまでもムーンクレスタ(80年)など「面ごとに違う敵が出る」ゲームはありましたが、
ドンキーコングとスクランブルは敵だけではなく背景やゲーム性さえも大幅に変化させて劇的な進化を遂げました。
6位のジャンプバグをはじめ、この手のゲームは後にどんどん増えて行くことになります。
また、81年密かに活躍したのは「アルファ電子」!
先述のジャンプバグとクラッシュローラー(4位)というヒットを飛ばし、長く遊ばれることになります。
10位にドンキーコングのコピー品「クレイジーコング」が入ってるのも面白いです。
「戦略性の高いゲーム」
アクション全盛で、1位のディグダグとペンゴは駄菓子屋でも大人気でした。
この二つの共通点は「戦略性」ではないでしょうか。
ディグダグは「モリで倒すか、岩石落としを狙うか」、
ペンゴは「スノービーを倒すか、アイスブロックを揃えるか」。
どちらも前者は確実性があり、後者は高得点が狙えるもので、人によって個性が出るのも面白く、
「面クリアに複数の解法が存在する」というこの2作品はプレイヤーに受け入れられ大ヒットを納めました。
そして、以後の固定画面ゲームの模範になったと思います。
また、この年はデータイーストがバーニンラバー(5位)・ハンバーガー(6位)とヒットを飛ばしました。
「ゼビウス革命」
ゼビウスがインベーダー以来の大ヒット!
全てが革命的かつ圧倒的で、ゲームの進化を一気に2~3年早めたのでは・・・と思います。
百聞は一見に如かずで、83年の1~8位を並べた画像をご覧ください。
明らかにゼビウスだけ次元が違います。
これは他のゲームがどうこうではなく、とにかくゼビウスが異常で革命と呼ぶに相応しいものだったからです。
事実、虜になるゲーマーが続出してどのゲーセンでも複数台設置、それでも中々開かずに順番待ちが発生してました。
また、ゼビオス・バトルスなどのコピー品が駄菓子屋に溢れかえるなど、まさに大フィーバーでした。
いま一度、ゼビウスの革新的だった点をおさらいしてみると・・・
・従来とは比較にならないリアルな映像 (色彩の統一、影の描写など)
・縦スクロールシューティングの確立
・地形、エリアの概念
・地上物、対空物の概念
・地上、対空物の打ち分けという攻撃方法
・圧倒的なキャラ数
・度肝を抜かれる巨大ボス
・キャラの凝った設定 (名称とコードネーム、系統、改良、素材、味方など)
・隠れキャラの存在
・厨二心をくすぐるバックストーリー
・クリア不能と思えるほどの激ムズ地帯の存在
・名所の存在 (ナスカの地上絵、ソル8本、ドモグラム盆踊り、ゾシーバックアタック地帯etc)
・暗記が重要な攻略方法
・・・などなどで、これだけの要素が初出だったり従来のものを大きく進化させたものだったりしたので、
そのインパクトは計り知れないものがありました。
さらには2位のマッピーも大人気で、83年はナムコ初期の最盛期と言っても過言ではないと思います。
その一方で、3位以下のエレベーターアクション・マリオブラザーズ・ハイパーオリンピックなども名作で、
ナムコ包囲網が徐々に築かれつつあります。
「ポストゼビウスと謎や隠しキャラ」
ゼビウスとは別ベクトルのスターフォースが1位! 見事、ナムコの4連覇を阻止しました。
それにしても、ゼビウスの約1年半後で「空中・地上の敵を同一ショットで破壊する」という
発想が生まれたのはスゴイことだと思います。
他にも、地上物を廃して空中戦のみにした「1942」(3位)、
多彩なウィングで戦略性が大幅にアップした「B-ウイング」(7位)など、
各社、ただのゼビウスの二番煎じにとどまらない名作をリリースしています。
また、ゼビウスのソルやスペシャルフラッグがウケたことから謎や隠しキャラが一気に増えました。
スターフォースのクレオパトラ、1942の弥七、パックランドの隠しフューチャーなどが有名で、
中でもドルアーガの塔(2位)は謎だらけ、むしろ謎しかないゲームで非常に話題になりました。
これに即対応したのが、83年の秋から始まった「スーパーソフトマガジン」。
メーカーが奥の深いゲームを作る → 雑誌で攻略や裏技などをフォロー → ゲーマーが積極的に取り入れる、
という好循環が誕生し、業界はますます活気を帯びていきました。
ここでちょっと脱線しますが、ディグダグやペンゴよりずっと以前に面クリア方法が複数あり、
さらにゼビウスより以前に隠し要素が話題になったゲームがあります。
それはズバリ、スペースインベーダー!
クリアへの戦法として「通常撃ち」と「名古屋撃ち」があり、
無難だけど被弾の危険性は高い「通常撃ち」か、占領は恐いけどノーミスクリアも狙える「名古屋撃ち」か、
これは紛れもなく戦略の選択だと思います。
さらに、UFOの300点の法則はれっきとした「謎・隠し要素」と言えるでしょう。
80年代、ゲームは様々な面で進化していきますが、その一部をすでに78年で実現していたインベーダーは
やはり伝説級の名作だと断言できると思います。
・・・以上、年別ランキング前編でした。
このアンケート集計シリーズは2回で終了のつもりでしたが、色々と書けそうなので続けていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
最後に、残念なニュースがありました。
先日1月21日に、大阪府のレトロゲームの聖地、ザリガニで激しい火災が発生してしまいました。
なんてこった、貴重な体感筐体とかが山のようにあったのに・・・。
前々回の記事には書きませんでしたが、僕も昨年の12月、かすが娯楽場を訪れた帰りに寄りました。
その時に撮った写真です。いつかこのボスコニアンで遊びたかったのですが、叶わぬ夢になってしまうのか・・・。
なんとか奇跡の復活を成し遂げて欲しいのですが、状況はかなり厳しそうです。
九州の聖地、指宿いわさきホテルも6月から休館するそうで、2025年のレトロゲーセン界隈は寂しい門出になりました。
何か明るい話題が届くことを願うばかりです。
そして今日(1月28日)は、ロイヤルホテル土佐が営業終了して丸1年になります。
これを記念して、ありし日のゲームコーナーの風景をYOUTUBEに投稿しました。
VR動画ですが、普通にWEBでも見れますしスワイプで周囲を眺めたりも出来るのでぜひぜひご視聴ください。(4K推奨です)
あれから一年、やはり以前と比べて気落ちしている自分がいるので、そろそろ吹っ切らなくてはと思います。
土佐えもん、ぼくこれからも頑張るよ・・・。
それでは、今回はこの辺で。
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