16号と17号の台風はあっという間に勢力を弱めて熱低になったといいます。発表された天気図の奇妙なこと。素人のタハラッチに判読できないのは仕方ありませんが、今まで見たこともない気圧配置でした。解説では低気圧から高圧部を通り越して隣の低気圧に風が吹き込むと言ってましたし、さらに嵐だと繰り返していました。慌てて気象用語のリストをチェックしたところ、嵐という言葉は見当たりません。タハラッチなどは台風と同じ意味で使っていますが、厳格に定義付けられた用語を使っている気象情報の中ではとても奇異な感じがしました。今回の低気圧と16号、17号が一体化した熱低はまだ台風だったのに早まってしまった。そこで慌てて言葉をつくろったというのじゃないでしょうね。もしそうだったらとても危険なことです。
台風と熱低や温低では言葉の響きが違います。甘く受け取るほうが悪いというかもしれませんが、油断する人があるに違いありません。気象用語では風速17mを基準に台風と低気圧とを区別しているので、今回は17mを下回ったということなのでしょう。ところが暴風の基準は20mとのこと。まだ暴風警報が発令されている地域がたくさんあるので、とてもおかしいですね。台風と呼ぶのはその中心部だけで、影響を及ぼす範囲が示されている図は何の意味もないというのでしょうか。だったら、無風状態の目を持つ台風なんて存在しないことになりますね。
5日から今日にかけて深刻な海難事故が相次いで発生して、現在も大勢の方が行方不明になっています。この気象災害、実際の現象を言葉のアヤで処理しようとした人災じゃないの、なんて思ったりします。どうなんでしょう。
ともかく気象情報や用語には、タハラッチの常識では到底考えられないような奇怪なことがたくさんあります。そしてさらに解せないのが情報統制されているような画一的な予報。国民の生命や財産がかかわるため、膨大な予算を使っている業務です。もっと真剣に取り組んでいただきたいと思っています。
蛇足ですが、予報が外れてもまったく責任を感じていない態度はいつも不愉快に感じています。今の世の中ではさまざまなことがきわめて無責任になされていますが、その根源となっているのがこうした態度かななんていったら言いすぎでしょうか。繰り返しますが人の命が掛かっている業務です。たいへんなことだと思っておりますが、命がけでやっていただきたいと心の底から願っています。