16日に水深1,000mの深海から釣り上げた16.6kgのアブラボウズの解体をしました。
この魚、釣りをしている人でもあまり馴染みがないかもしれません。水深400mくらいから1,000mを超すような超深海に棲息していて、100kgを超えるような巨魚も珍しくありません。
カサゴ目、ギンダラ科、アブラボウズ属ですから、ギンダラに近い仲間で、名前の通りさらに脂分の多い魚なのです。
アブラボウズなんてふざけた名前がついていますが、これは俗称ではなくれっきとした標準和名。クロイオ、クロウオ、オシツケ、オッツケなどと呼ばれているほうが俗称なのです。
今回は南房恵津丸のベニアコウ狙いの外道で揚がった魚を解体しましたが、上記の魚体は87.0kg。南伊豆忠兵衛丸では冬場になると、専門の釣り船が就航します。
ともかくでっかい魚を何とかして釣りたいという方はぜひチャレンジしてください。
名前に似合わずとても旨い魚で、身の色は真っ白ですがまるでマグロの大トロ。銚子の島武という鮨屋では、握りで出しています。
大きなネタで人気を博している島武の鮨もじつにうまいのでついつい食べ過ぎてしまいますが、食べすぎにはご注意。タハラッチはこのネタの限っては一貫だけにとどめています。
というのも握りや刺身でちょっと食べすぎると、すぐに腹を通してしまいます。西京漬けやソテーでしたらもっと食べても大丈夫なのですが、生の場合だけはそのうまさをほんの少し味わうというだけにしているのです。
発売元は忘れてしまいましたが、三崎にはアブラボウズの西京漬けを加工している水産会社があって、それを頂戴して食べたときから、小振りのアブランボウ、すなわちアブラボウズが釣れた時は持ち帰っていただいています。なぜかっていうと、50kgを超すような巨大だと、マンション住まいの身では到底さばききれないのです。
今回の16kgも我が家でしたら持て余してしまうはず。折よく知人のお宅に持ち込んでさばくことができたのでラッキーでした。
まずはウロコを削ぎ落とします。
続いて頭を落とし、切り分けます。アブランボウとしては極小サイズの16kgですが、さすが丸のままでは料理しにくいので、さらに小分け。中落ちとも、軽く湯通しして鍋用に一回分ずつ、小分けしました。
カマは塩焼きがいいのですが、直火で焼くとアブラが滴って煙がもうもうと上がるはず。ドウコ缶を使って屋外で焼くほかはありませんね。
三枚におろしてさらに切り身に切り分けました。
さばいていただいたアブランボウは4人で分け、それぞれが持ち帰り。タハラッチは、刺身、ソテー、西京漬け、シャブシャブでいただくよう仕込みました。
みよしサイトの
ベニアコウのページも参照してください。