お盆休みに入ってしまいますが、お天気は何とか持ちそうな気がします。
ということで高速道路の深夜割引の時間帯にあわせて出発。新潟県へと向かいました。
今回のターゲットは表題のオオゴマシジミのほか、高山チョウのベニヒカゲも。欲張り企画なのです。
昔はたくさん採れたという某山に登りました。陽射しは燦々。気温も高くなってきましたので、ベニヒカゲの飛翔の条件は整ってきました。
でもまったく飛びません。ヒョウモンの仲間やセセリチョウ、キアゲハがせわしなく舞ってくるだけ。そういえば肝心な食草がまったく見当たりません。昔の栄光を追い求めるのは無駄なのかもしれません。
次の目的地へと移動。ますます暑くなってきます。
ここは展望がよく、手軽なハイキングコースとなっていますので家族連れが目につきます。
登山道の両側には山の花々が咲いていて、ヒョウモンの仲間、ヒオドシ、クジャクチョウ、アカタテハ、キアゲハが舞い、アサギマダラが優雅に滑空してその姿を誇示しています。
でも肝心なベニヒカゲはいません。今でも好ポイントとして知られているのですが・・・。
きっと時期尚早なのでしょう。じっくり粘りましたが結局1頭も見ることすらかないません。あきらめて下山しました。
翌日は県境を超えて福島へ。ベニヒカゲはあきらめオオゴマシジミに照準を合わせます。
ところが新潟と違ってこちらは夕べ雨が降ったようで、沢筋の水量がかなり増えています。単独行ですから十分に気を付けながらポイントを目指します。
ここは数日前に訪れて、わずか1頭ながらも採集したところですから確実性があるはず。でも飛んでいないのです。
曇りとはいえ、先日よりはるかに空模様は良好。気持ちに焦りが出始めてきたころ、ようやく1頭が飛び出てくれて無事にネットイン。ほっとさせられました。
続いて2頭目がすぐ目の前の葉に止まりました。すかさずシャッターを切り、おもむろにネットを手にした瞬間、彼は飛び立ったのです。
逃してなるものか、逸った気持ちが災いのもと。雨で濡れていた足元が滑ってしまいました。
でチョウは逃がすは、竿は折るはの大トラブル。怪我をしなかったのが不幸中の幸いです。
気を取り直して竿を取り替えに行く途中、折れた竿でからんでいる2頭をゲット。慌てることはありませんね。
それからは次々と飛び出してきて、短時間の間に9頭を採集。もう1頭でツ抜けですから頑張ったのですが、ここでぱったり途絶えてしまいました。
早めの弁当を食べて飛翔を待ちましたがまったく飛んできません。あきらめて下山すると、途中の食草密生地で何とかもう1頭を追加。ツ抜けを果たして麓の温泉に浸ることにしました。
ここでまたまたトラブル発生。電波は来ているはずなのにWIFIがつながりません。メールもネットもダメ。ガラ携とラジオの気象情報だけが頼りとなってしまいました。
さて3日目。きれいな朝焼けが広がっています。ということは午前中くらいは何とか持つかもしれません。あきらめきれないベニヒカゲを求めて、少し高い山へと向かいました。
途中、イチモンジチョウが飛んでいたり、オオゴマシジミの食草帯があったりましたが目もくれず、ひたすら頂上直下のベニヒカゲの生息地を目指します。
ところが天候の変化は思ったより早く、次第にガスが昇ってきました。頂上直下の岩峰帯に辿り着いたころにはポツリポツリと降り出してきました。
あきらめて下山にかかると大粒の雨。あっという間にどしゃ降りに変わってきて、レインギアをまとう間もなくずぶ濡れ。それでも体温の低下を防ぐため、上着だけを着て下ります。
若いころはスイスイ下りられたはずの山道ですが、思うような足の運びができません。無理をして転んで怪我でもしたらつまらないことになります。
ゆっくり着実に一歩ずつ歩を進めますから、らちがあきません。それでもしばらく下るとガスも晴れ、なんと青空が広がって暑い陽射しが降り注いできました。
山の天気なんてこんな時もあります。雨具を脱ぎ弁当を食べて一休み。再び下りにかかるとまたまたガスってきました。
でも雨は降ってきません。そんな時、登りで無視したオオゴマシジミの食草帯に差し掛かりました。
しばらく木々を凝視していると、オオゴマシジミが飛んできたではありませんか。慌ててザックを放り出し、ネットをセットして構えます。やがて2頭目が現れで難なくネットイン。雨が上がったので、隠れていた葉陰から飛び出してきたのでしょう。狙いが当たったのでうれしさがこみ上げてきました。
その後数頭が飛来し、そのうちの何頭かを採集。ヒメシジミもたくさん飛んでいました。
着ていた服はぐっしょりと濡れたままでしたが、そんなことはお構いなしで車へと戻り、冷たい流水麺で腹ごしらえをしてほっと一息つきました。
濡れた身体を温泉で温め、いざ帰途にと思って交通情報をチェックすると、関越道の上りは30kmの大渋滞とのこと。仮眠して午前2時に起き、我が家に向けて走り出すとそんな渋滞はみじんもありません。
お盆休みをほんの少しだけずらして走れば、渋滞を避けることができます。
そういえばもう十数年も前のお盆休みのこと、大間のクロマグロを狙って東北道を往復した時も、同じように渋滞を完ぺきに避けたことがありましたよ。