皆様、こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
今日も沖縄は晴れ時々曇り、所によりにわか雨。予想最高気温は32度です。それでは、ラジオ放送の続きをどうぞ。
アーサー 単純にワクチンを接種すると言っても、ワクチン自体の物量があるだけでなく、環境としても整備しなければならない。
徳田 そうなんです。
まず大事なのは国が、ワクチンの供給を確実にする。
きちんと供給する。
これがまず第一。
そしてこれを各市町村に、きちんと約束通りに供給する。
そして各市町村は大規模会場あるいは個別接種、さまざまなやり方で、スピードアップするような計画を立てる。
そして打ち手である医療従事者、そしてその周辺の作業を行なうマンパワー、こういったものの総合的なオルガニゼーション、これはですから、市町村の総合力が試される。
市町村主体の事業ですから。
これをがんばっていただきたいと思います。
沖縄では私は以前から提言していますが1日1万回以上打ってほしい。
最近のデータでは1日6000といったデータですから、もっとがんばってほしいなと思いますね。
アーサー そんな中、改めて疑問になるのが、アストロゼネカのワクチンに関し、緊急事態宣言の発令をしている所に、国から、発送の手配が行われたという報道があったんですけれども、その前に、沖縄県としてはアストロゼネカの優先配布をお断りしたという事実もある。
この矛盾というのはいかがですか。
徳田 それ、問題なんですよ。
アストロゼネカ、実はいいワクチンなんですね。
アストロゼネカとオックスフォード大学というイギリスの有名な会社と有名な大学、世界レベルの二カ所がつくったんですけど。
当初、ヨーロッパやアメリカでの治験の段階で、まれな副作用があるというのがひとつ。
血栓症が、血の塊ができると。
もうひとつが、ほぼ同時期に出たファイザーとかモデルナと比べて、有効性が少し落ちるんじゃないか。
5%とか10%とか。
そういうことでセカンドクラス的な評価がなされていたと。
ところが最近になって、評価が見直されているんです。
実は血栓症のリスクというのはアジア人では少ない。
例えばタイでは300万人以上打ってますけど、一例もない。
台湾では600万人以上打ってますけど、20人くらいの報告があるくらいで、欧米人と比べると副作用のリスクが低い。
このアストラゼネカはしかも、ファイザーなどと比べて免疫が長持ちするんじゃないかというデータも出てきているし。
アーサー 体内の抗体価というものがですか?
徳田 抗体があまり下がらない。
ファイザーやモデルナは下がる。
そしてもうひとつ、アドバンテージがあって、アストラゼネカとファイザー、あるいはモデルナとのミックスの接種。
ミックスタイプだと、むしろ同じファイザーを2回打ち、同じモデルナを2回打つより、抗体が上がるというデータも出ている。
ですから超おすすめなんです。
世界中の国でいろいろ開発されてますけれど、今日本で認可されているのは、コロナに関してはファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3つしかありませんから。
この3つを賢く使うという、しかも、今、ファイザーとモデルナの供給量が少ないと、世界中でワクチン不足になっている。
そういうことから考えると、アストラゼネカをいかに有効に活用するかが大事だと思うんですね。
40歳以上には認可されているわけですから。
ですから沖縄県ももっと積極的にアストラゼネカを有効活用する。
職域接種でアストラゼネカを使うリクエストがなかったということで沖縄県は断ったということですけど、それはもうちょっと説得する必要性があると思います。
次回に続く。
日本のコロナ対策の何が問題なのかについてわかりやすく書いた本。「新型コロナウイルス対策を診断する 増補版」コロナにかからないため、そして罹っても重症とならないための最新のサイエンスも満載。ウイルスの起源や進化までもカバーしています。
これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。
徳田安春・公式ツイッター
https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda
健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。
好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。
健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。
ナースの皆様、お待たせしました。「ナースのための、こんなときフィジカルアセスメント“バイタルサイン編”」が発売中。おもしろいのにタメになる、とっておきのテキスト、できました。皆様のレベルアップにお役立て下さい。
待望の新刊が発売中!「病歴と身体所見の診断学:検査無しでここまでわかる」こちらもお試しください。必ずやためになることでしょう。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2020のジャンル別賞の健康部門2位を受賞しました。
迅速・的確なトリアージができる!ナースのための臨床推論 [単行本] [2016] 徳田安春、こちらナースの皆様はもちろん、これからナースを目指す方、看護の情報を知りたい方にもどうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます