総合診療医からの健康アドバイス

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魚骨と私

2017-01-14 09:58:44 | 医療情報

 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。しかしすごい雪ですね。たったの一晩であんなにつもるのでしょうか。沖縄県出身者の人間にはにわかに信じられません。今日は太平洋側にも積雪の可能性があるそうです。特に受験生の皆様はお気をつけ下さい。では本題へ。

 

 

 魚骨を恐れていた私は琉大の医学生時代に魚の骨について図書館の本を調べたことがありました。


 あの頃はpubmedも医中誌web もありませんでしたからindex medicusですね。


 fishbone, disease が検索用語ですね。


 しかしながら「魚の骨を呑み込んだらどうなるか」ということに具体的な記載を見つけることはできませんでした。

 


 でも、研修医になって、救急室での診療を担当するようになり、あの「魚の骨」との再会をすることになりました。


 「魚を食べていたら急に喉が痛くなりました」という訴えで受診する患者さんのノドの中にいたのです。


 のどに刺さった魚骨の取り方について、先輩のレジデントから教えてもらい、「カンシ」と呼ばれる小さなハサミ状の器具で骨を取り除くと、患者さんからたいそう感謝されました。


 患者さんがよくなるのはとてもうれしいことです。

 


 その後、病棟担当研修医時代に、腹痛と発熱で原因不明の腹腔(ふくくう)内膿瘍の男性患者さんを担当することになりました。


 術前の超音波やCT検査では、膿瘍内になにか異物があるという疑いがありました。

 


 案の定、開腹手術で、なんとあの「魚の骨」がみつかったのです。


 診断は「魚骨性膿瘍」で、膿瘍とともに長さ数センチの骨が除去され、治りました。


 このケースは1990年ごろに沖縄県の医学会で発表しました。


 正式な学会で発表した初めてのケースがこの「魚骨性膿瘍」でした。

 

 

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