修了公演を向かえるに当たっての心境とは

いよいよこの時期がやってきました。

「修了」という言葉は恩師が使っていたのをそのまま引き継いだわけですが、この「修了」という、習得したものを余すことなく披露する感覚がいいなと思います。「卒業公演」の華やかさと比べると「修了公演」にはストイックさを感じるのです。ストイック好き。


今年度は４講座がやるという過去最多の公演に。今後恐らくないでしょう。

例年通り劇場である講堂の場当たり、ゲネが満足に出来ない状況。今年の子達はどうやって調整してくるか、そしてどんなドラマを見せてくれるのかと、恐々としつつも楽しみでもあります。


かくいうわたしも例年通り劇作、演出、照明、音響、制作、撮影、今年は役者という一人何役やるのかというてんてこまいの状況。小劇場の経験が遺憾なく発揮されます。

どうか何事も問題なくつつがなく終わることを願います。心の底から。



わたし脚本に関して。


自系１、自２の子達はコメディ脚本ですからどうぞ観客を笑わせてください。楽しい気分にさせてください。笑われるのではなく、笑わせる。意識を持ち舞台にあがることをどうか忘れずに。一挙手一投足観られているつもりで。



系２の子達。あなた達の脚本は別れの脚本です。哀しい物語を書きたいと思ったのはあなた達の姿を見たからであり、普段明るいあなた達がどうこなすか、一観客として観てみたかったからです。

３年前の３．１１でわたしも大切なものが壊れていくのを目の当たりにした一人です。失われていくものを見る、何をどうしても止めることが出来ない無力さ、今思い出しても哀しい気持ちで胸が苦しくなります。別れ、哀しさは突如として訪れます。歳を重ねるということは別れを重ねるということでもあります。脚本にも書きましたがどうか哀しみに飲み込まれないでください。そして劇作家のこの想いをどうぞあなたたちというフィルタ－を通し、あなたたちの言葉で観客に届けてください。


修了公演の成功を心から願って。