演劇知

劇的考察譚

lab~再開発~役者を振り返って

2010-07-13 09:39:06 | Weblog


二次会の会場。いつも利用していた「うみのや」という演劇人のためにあるような場所が使用出来ない為相当探しましたが、素晴らしくお洒落な場所を見つけました。一緒に奔走してくださった美波さん、ありがとう!

で、役者を振り返ります。今回は35人を15芝居で割ったので、役者への明確な作為や要求が出来ました。


○石井千里
自由に動けるのはこれまでの経験があるから。横軸を繋ぐ猫実をやってもらい全体を締めつつ、若い子達の牽引役になってもらいました。
ちょいちょいミスして、周りを動揺させる。

○酒井雅史
稽古日数少ないのを関係なく、とにかくテクニカルなところに入ってもらいました。「コメツキバッタ」は2モーションで人の心を掴む、とにかくテクニカル。

○中川由紀子
今までオファー出して今回ようやく出演頂きました。見た目よりもずっと繊細な演技、しかし見た目が重なると素晴らしいエネルギー。石井とのVS、内田を牽引、ダブルキャストと、とにかく甘えさせて貰いました。

○川崎美波
器用なタイプ。事前にしっかりと考えて役を作ってきて、こちらが指示するとそれを素早く修正する、修正出来る。本人は悩んでいたようですが、稽古中その素振りを一切見せないストイックさも良い。キャラと素の「中間」という欲しいところ、芝居をやってきていないと出来ないところを「花」という役であえて挑戦してもらいました。

○㈱ゆとり
六年間わたしと芝居してくれている子ども達の中で最年長株。わたしの芝居を子ども達の中で誰よりも知っていてくれており、欲しいところをいち早く察してくれます。「明海」は感情の爆発という新たな一面を開いてみせてくれました。抜いた「上司」を見て、この使い方もあったと発見。

○杉田里美
配役で、稽古中でもダンスや代役でと、とにかくダイナモ的に芝居の原動力となってもらいました。殻を破るではダントツ。本人曰く普段わりとそんな感じと言っていましたが、今回ようやくそれを舞台上で見せてくれて、そしてわたしが発見することが出来ました。㈱と共に夫婦対決をしてもらったのは明らかな意図。

○すはらゆうこ
実践と経験を踏んできています。「魅せる」芝居が出来始めてきています。己の使い方もコントロールすることが出来始めてきています。配役の妙で喜劇フェーズでの起用になってしまいましたが、「千鳥」では石井とマッチアップ出来、「杉山」では他の子ども達をしっかり牽引出来ていました。この1年で表情が本当に豊かに。

○曽我明希
「日の出」として石井とマッチアップし、作品としてのボリュームをアップすることを要求。そして「諏訪」として激昂と冷静の中間を「魅せる」ことを要求。普段わりと「強い」演技に見えるのでそこを如何にコントロールしてくるか、そのもがきを演出卓で見てきました。最後の最後、音響ブースからその結果を見ることが出来ました。「日の出」のゲーム説明は毎回ドキドキ。

○波野平遼
「lab」から1年…なんか1年の付き合いとは思えない…その中で見てきた彼の人間性をいじりたく、「高洲」「入船夫」を演じてもらいました。昨年の刑事「長山」からは圧倒的な成長ぶり。体は大きいのに芝居はシャープに見える。悲鳴が心地良い人。
悲劇フェーズでしか起用出来なかったのが悔やまれる。彼の笑顔を使った芝居を作りたい。

○和田春波
曲者に見えるも芝居はストレート。今回は杉田と共に、とにかくざっくばらんなポジションとして色々なところに配置しました。人に対する当たりがソフト。故に「ジョン」で荒っぽく当たってもらいました。代役でやった「瀬間沢松」を見て「この人はツッコミいける!」と再発見。

○黒澤匠雅
フレンズ枠として初参戦。見た目も芝居も繊細ですが、稽古場で見せるちょっとした仕種や飲み会で見せるちょっとした仕種で、「こいつは曲者だ」と思っていたところ、案の定「備男」でやらかしてくれました。石井の「小鳥が好きそう」は見事な比喩。
「海」では芯の強い発声を見せてくれました。

○早田純子
同じくフレンズ枠として参戦。芝居を決めてガチっと入ってくるタイプの役者さん。わたしの芝居がわりと流動性を求めるので、そこの差で苦労したかと思いますが、対応してくれましました。そしてダンスやrunを写メで撮り練習してくる頑張り屋。堀池の「ごめんなさい」は心地よい響きを奏でる。
配役の妙で子ども役ばかりになってしまったのが残念。

○菊地祥子
この子の学校で行った芝居を見て「このラインの芝居いけるじゃん」と思い、「西池」に配置。芝居に対する考え方がこの1年で劇的に変化、進化。成長を感じた子の一人。芝居から受ける印象が一年前と大違い。
「西池」の最後の笑顔…からの素顔に戻ったその表情の方が実は良い。
日常に潜む劇的性質を表現することは出来るので、次はダイレクトな劇的表現と喜劇が課題か。

○小林知未
菊地と同じく外の世界で揉まれ、芝居に対するスタンスが変化、進化、成長した子。「甘さ」が消えたような気がします。芝居中、そして稽古中からもそうでしたが、とにかく人に絡んでもらったムードメーカ。
基本的に器用。なんでもそつなくこなすが、強いて言えばそつなくこなし過ぎというか。それが今回「蘭」をやることで、観客の印象に残るような「妖艶」さが出たのではと思います。

○佐々木麻美
本人が美容の専門に行っているので、そしてダンスが出来るので、開場中から踊ってもらい、芝居中にはカットショーしてもらい、そしてゾンビダンスではダンス隊長の一人として、とにかく今公演の技術屋といっても過言ではない。
「富岡」は「高齢化は幼児化すること」というわたしの考えを元に、あえて御婆さん演技にせず。今回、嫌味にならずそれが出来るのはこの人ぐらいじゃないかと。「杏」も同様。

○二瓶健太郎
もともと誘いたかった人の一人。今回無事捕獲し舞台に上げれました。
芝居に対して、見た目クールだが、とにかく熱い。それは共演した3人が感じたのではないでしょうか。芝居は意外とくせのある感じ。もっとシャープに出来ると良い。
熱入りすぎると歯止めが効かなくなるという「暴走モード」がある、実は怪優。
「椎男」のホスト的がちょっとかっこいい。





半分来たので少し休憩。

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