労働審判手続の結果に対する満足度

Q106　労働審判手続の結果に対する満足度はどうなっていますか？

　東京大学社会研究所の意識調査によると，労働者側は，「とても満足している」と「少し満足している」を合わせて約６０％が満足していると回答しているのに対し，使用者側は，「全く満足していない」と「余り満足していない」を合わせて半分以上が満足していないと回答しています。
　労働審判は，労働者の方が，使用者よりも，満足度が高い傾向があるようです。

弁護士　藤田　進太郎

労働審判利用の理由

Q105　労働審判利用の理由としては，どのようなものが多いのでしょうか？

　東京大学社会科学研究所の意識調査によると，労働者が労働審判を利用した理由としては，
①　公正な解決
②　経済的利益
③　社会的名誉や自尊心
④　強制力のある解決
⑤　自分の権利
等が多くなっています。
　これに対し，使用者側が労働審判を利用した理由としては，
①　公正な解決
②　申し立てられたので仕方なかった
③　事実関係をはっきりさせる
等が多くなっています。

弁護士　藤田　進太郎

労働審判の解決率

Q104　 労働審判での解決率はどれくらいですか？

　労働審判手続では，約７０％の事件で調停が成立し，解決しています。
　その他，労働審判に対し異議が申し立てられないケースや，手続外で解決して労働審判が取り下げられるケースもありますので，それらを含めた解決率は，約８０％程度となるものと思われます。

弁護士　藤田　進太郎