弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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労働審判の第2回期日以降にかかる時間

2011-07-07 | 日記
Q115 労働審判の第2回期日以降は,どれくらいの時間がかかりますか?

 第2回以降の期日は,第1回期日で実質的な審理が終了しており,労働審判委員会から調停案が示されていたような場合には,解決金の金額を中心とした調停内容についての調整がなされることになり,当事者双方が調停案を直ちに受け入れたような場合は,期日は30分足らずで終了することになります。
 ただし,第2回以降の期日であっても,当事者双方が調停案を直ちに受け入れなかったものの,もう少しで調停が成立しそうな状況だったため,その日のうちに調停を成立させるために交渉が継続され,約2時間30分かかったことがありました。
 また,当事者から新たな主張がなされ,それが審理されることになったような場合も,時間がかかる可能性があります。
 事前に話がついていない場合には,第2回期日以降についても,念のため,3時間程度は時間が取られても支障が生じないよう,スケジュールを調整しておくべきでしょう。

弁護士 藤田 進太郎

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労働審判の第1回期日にかかる時間

2011-07-07 | 日記
Q114 労働審判の第1回期日にかかる時間はどれくらいですか?

 労働審判の第1回期日は,通常,2時間近くかかります。
 私がこれまでに経験した労働審判事件の第1回期日は,1時間20分~2時間30分程度かかっています。
 念のため,3時間程度の時間を取られても不都合が生じないよう,スケジュール調整しておくべきでしょう。
 なお,第1回期日にかかる時間は,事案の複雑さの程度にもよりますが,同程度の事件であれば,申立書,答弁書において,充実した主張反論がなされているケースの方が,所要時間が短くなる傾向にあります。

弁護士 藤田 進太郎

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労働審判の第1回期日の出頭を弁護士に任せ,会社関係者は出頭しない対応の是非

2011-07-07 | 日記
Q113 労働審判の第1回期日の出頭を弁護士に任せ,会社関係者は出頭しないことにしたいのですが,いかがでしょうか?

 労働審判の第1回期日おける審理では,事実関係について説明する必要がありますが,事情をよく知る会社関係者が事実関係を説明しないことにはリアリティーがありません。
 例えば,解雇した際の言葉のやり取り等の重要な事実関係を,解雇の現場にいたわけでもない代理人弁護士が説明したのでは,今ひとつ説得力がないということは,ご理解いただけることと思います。
 労働審判の第1回期日の出頭を代理人弁護士に任せ,会社関係者は出頭しないことにするのは,お勧めできません。
 紛争の実情を把握している会社関係者が1名から2名程度,出頭すべきです。

弁護士 藤田 進太郎

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労働審判の答弁書を作成する上での注意点

2011-07-07 | 日記
Q112 労働審判の答弁書を作成する上での注意点を教えて下さい。

 労働審判手続の当事者は,裁判所(労働審判委員会)に対し,主張書面だけでなく,自己の主張を基礎づける証拠の写しも提出するのが通常ですが,東京地裁の運用では,労働審判委員には,申立書,答弁書等の主張書面のみが事前に送付され,証拠の写しについては送付されない扱いとなっています。
 労働審判員は,他の担当事件のために裁判所に来た際などに,証拠を閲覧し,詳細な手控えを取ったりして対応しているようですが,自宅で証拠と照らし合わせながら主張書面を検討することはできません。
 また,労働審判官(裁判官)も大量の事件を処理していますので,答弁書を読んだだけで言いたいことが明確に伝わるようにしておかないと,真意が伝わらない恐れがあります。
 答弁書作成に当たっては,答弁書が労働審判委員会を「説得」する手段であり,労働審判委員会に会社の主張を理解してもらえずに不当な結論が出てしまった場合は,労働審判委員会が悪いのではなく,労働審判委員会を説得できなかった自分たちに問題があったと受け止めるスタンスが重要となります。

 労働審判委員会は,申立書,答弁書の記載内容から,事前に暫定的な心証を形成して第1回期日に臨んでいます。
 また,第1回期日は,時間が限られている上,緊張して言いたいことが思ったほど言えないことが多いというのが実情です。
 したがって,労働審判手続において相手方とされた使用者側としては,重要な証拠内容は答弁書に引用するなどして,答弁書の記載のみからでも,主張内容が明確に伝わるようにしておくべきことになります。

 陳述書を答弁書と別途提出するのは当事者の自由ですが,重要ポイントについては,答弁書に盛り込んでおくことが必要となります。
 答弁書の記述で言いたいことが伝わるのであれば,答弁書と同じような内容の陳述書を別途提出する必要はありません。

弁護士 藤田 進太郎

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