Q89 残業代に関し,使用者と社員が合意することにより,残業時間にかかわらず,一定額の残業手当(固定残業代)を支給するとすることはできますか?
残業時間にかかわらず,一定額の残業手当(固定残業代)を支給するとする合意は,所定労働時間分の賃金と時間外労働分の残業代に当たる部分を明確に区分して合意されていれば,労基法所定の計算方法による額が固定残業代の金額で不足しない限度で,有効と考えられています。
一般的には,労基法所定の計算方法による額がその額を上回るかどうか,上回る場合にはその不足額が何円なのかが計算(検証)できるようなものであれば,所定労働時間分の賃金と時間外労働分の残業代に当たる部分を明確に区分して合意されていると評価することができるでしょう。
ただし,労基法所定の計算方法による額が固定残業代の金額を上回る場合は,使用者は不足額について支払義務を負うことになりますので,固定残業代の金額が低すぎることがないよう注意する必要があります。
例えば,基本給21万円,残業手当1万円では,ちょっと残業しただけで,固定残業代が不足することになってしまいますので,通常は,固定残業代の比率をもう少し高めた方がいいかもしれません。
弁護士 藤田 進太郎
残業時間にかかわらず,一定額の残業手当(固定残業代)を支給するとする合意は,所定労働時間分の賃金と時間外労働分の残業代に当たる部分を明確に区分して合意されていれば,労基法所定の計算方法による額が固定残業代の金額で不足しない限度で,有効と考えられています。
一般的には,労基法所定の計算方法による額がその額を上回るかどうか,上回る場合にはその不足額が何円なのかが計算(検証)できるようなものであれば,所定労働時間分の賃金と時間外労働分の残業代に当たる部分を明確に区分して合意されていると評価することができるでしょう。
ただし,労基法所定の計算方法による額が固定残業代の金額を上回る場合は,使用者は不足額について支払義務を負うことになりますので,固定残業代の金額が低すぎることがないよう注意する必要があります。
例えば,基本給21万円,残業手当1万円では,ちょっと残業しただけで,固定残業代が不足することになってしまいますので,通常は,固定残業代の比率をもう少し高めた方がいいかもしれません。
弁護士 藤田 進太郎