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団体交渉に関する基本原則を教えてください。

2016-06-06 | 日記

団体交渉に関する基本原則を教えてください。


 団体交渉 には①複数組合主義と②中立保持義務という二つの基本原則があります。

 ① 複数組合主義は,使用者は,自らが雇用する労働者を代表している労働組合のすべてと団体交渉を行わなければならないというものです。

 例えば,労働者が企業内組合と地域合同労組等に重複加入している場合も,当該団交事項について二重交渉になるおそれがある等の特段の事情がない限り,使用者は団体交渉に応じる必要があります。

 この点,アメリカでは交渉単位における過半数代表組合にのみ団体交渉権が認められる(排他的交渉代表制)仕組みになっているのとは対照的です。

 ② 中立保持義務は,使用者に,複数の労働組合に対し当該労使関係の具体的状況に応じて中立的な態度をとるよう義務づけているというものです。

 中立保持義務が問題となりうる場面としては,労働条件に関する場面,施設利用に関する場面があります。

 中立的な態度の結果,一方の労働組合とは合意し,他方とは合意に至らなくても結果の差異は不当労働行為にはあたりません。

 ただし,ある組合が受け入れられないような条件(さし違え条件)をあえて提示し,当該組合が条件を受け入れられず不利益を被ることになった場合には,意図的な組合弱体化行為として不当労働行為(支配介入)になります。


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配転を命じた組合員から,組合活動ゆえの左遷であるとの抗議がありました。不当労働行為に該当しますか

2016-06-06 | 日記

ある組合員に配転を命じたところ,その組合員が組合活動ゆえの左遷であるとの抗議がありました。この配転命令は不当労働行為に該当するのでしょうか?


 貴社がどのような意図をもって配転を命じたかによります。

 ここでは,不当労働行為の要件(FAQ568 )のうち使用者が不当労働行為意思をもって配転命令をしたかどうかが問題になります。

 基本の定式は,組合活動家であるが故に配転や解雇 等しようとの意欲を使用者がもち,かつそれを実現したと推認できるかどうかにあると言われています。

 具体的には,外部に現れた事情(使用者の労働組合に対する日頃の態度,通常の人事のパターンとの相違点,組合加入・組合活動等との時期的符号など)から推認していくことになります。

 裁判例の中には,業務上の必要性と組合活動への嫌悪とが競合的に存在する場合には,反組合活動の意思が業務上の必要性よりも優越していることを要するとしているものもあります。


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取引先から組合員の解雇を強要された場合の対応方法について教えてください。

2016-06-06 | 日記

取引先の方が当社の組合員の正当な組合活動を嫌悪し,取引の解除など経済的圧力のもと当社に組合員の解雇を強要していました。当社がやむなくこれに従い解雇した場合には,不当労働行為に該当するのでしょうか?


1 回答

  不当労働行為に該当します。

2 説明

 ここでは,不当労働行為の要件(FAQ568 )のうち,使用者に不当労働行為意思があったのかが問題となります。

 最高裁判例は,組合活動家を排除しようとする第三者の意図は,その強要により,その意図を知りつつ解雇 を行った使用者の意思に直結し,そのまま使用者の意思内容を形成するから,解雇は不当労働行為意思に基づくと判示しています。

 したがって,解雇のきっかけが取引先の進言,圧力だったとしても,使用者の不当労働行為意思は肯定され,不当労働行為に該当します。


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労働組合の「正当な行為」が問題とされるケースはどのようなものがありますか?

2016-06-06 | 日記

労組法7条1号の不当労働行為(不利益取扱い)の成立要件のうち,労働組合の「正当な行為」が問題とされるケースはどのようなものがありますか?


第1 回答

 労働組合の行為には,「正当性」が必要とされています。正当性がないのであれば使用者が懲戒処分などをしても,不当労働行為には該当しないことになります。

第2 説明

1 争議行為の性質に着目

(1) 山猫スト(労働組合内部の承認を経ずに,一部の集団が独自に行うストライキ)

 正当性なし。

(2) 政治スト(労働者の経済的地位の向上とは直接関係のない政治的目的の争議行為)

 正当性なし。

(3) 抜き打ちスト(団体交渉 を経ないストライキ)

 これだけでは必ずしも正当性は否定されません。

(4) 労働協約中の平和条項(争議行為を行わない旨の誓約)に違反する争議行為

 これだけでは必ずしも正当性は否定されません。

2 争議行為の態様に着目

 裁判例には,不法に使用者側の自由意思を抑圧しあるいはその財産に対する支配を阻止するような行為には,正当性が否定されるとするものがあります。

 具体例としては,タクシー会社の組合員が,ストライキ中,会社の退去要求に応じず,車輌の傍らに座り込み又は寝転ぶ等して車輌の搬出を妨げた行為について,正当性を否定しています。

3 争議行為以外の活動

 裁判例には,会社の一連の合理化政策に反対する立場から組合内の少数派グループが行ったビラ配布等の活動は,正当性があるとしたものがあります。

4 職務専念義務違反

 就業時間中に労働組合の活動を行うことは,原則として正当性が否定されます。


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労組法7条1号の不当労働行為(不利益取扱い)の要件を教えてください。

2016-06-06 | 日記

労組法7条1号の不当労働行為(不利益取扱い)の要件を教えてください。


 労働組合法7条1号は,以下の成立要件を満たした場合に,不当労働行為(不利益取扱い)に該当すると定めています。

① 労働者が組合員であることまたは労働組合の正当な行為をしたこと(FAQ569

② 使用者から不利益な取扱いを受けたこと(FAQ567

③ 使用者が労働者組合加入・組合活動を理由として(「故をもって」)不利益取扱いをしたこと(「不当労働行為意思」)


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