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先祖を探して

Vol.46 山田の爺の伝説

和泊町誌:民族編を読み進めていくと、「口承文芸と芸能」というページがあります。島に伝わる伝説が5話掲載されているのですが、最後のページに「山田の爺の伝説」というのがありました。
何気に読み進めていくと、どうもかなり年を取った老夫婦の話のようです。お婆さんが汐くみ(塩をつくるために海水をくむこと )にいくと、箱が浮いてて中に赤ん坊がすやすや眠ってい、、、とまる桃太郎や竹取物語のようなことが書いてありました。



その子が大きくなって、世之主の目に留まって武芸修行のために上国。そして爺は隠居で付近の田畑を賜って作物が実り御蔵も建った。
*世之主と呼ばれる人がいた時代は1400年前半、上国があったのは1609年以降の薩摩侵略後なので時代が合いませんが、そこは伝説ですからね😅 

じいさんは年をとりながら、顔にはクジマが付着していった。
*このクジマといのは琉球語で、本土ではヒザラガイというそうで、岩場に付着するちょっとグロテスクな貝です。

120歳までも生きて、その年から食べ物を取らなくなって、それでも生き続けた。それで生きながら葬ったというような、恐ろしい話でした。
しかし、その続きに書いたあるお墓のことに驚きました。

その家にあった墓石に「延享四年卯年十二月十五日 喜美留与人池悦」と書いてあったのだそうです。

池悦ですか!?その方は当家のご先祖様ですよ。
「2021年2月28日:宗家に連なる人々2:池悦」の記事に書いた池悦さんですよ!この方、「2021年5月1日:長寿なご先祖様たち」にある、ご夫婦で81歳まで生きた人です。
あれ~ 伝説の人になってたんだ。とっても驚きです。

まずこの池悦さんことを、ざっくりと整理しましょう。

<本当の池悦さんのこと>
・1698年生まれ~1779年2月14日 81歳没 
・内城の世之主神社のすぐ東側に住んでいた
・二重石垣のりっぱな家だった
・1744年 46歳で喜美留与人になる
・1760年 亡き父母のために墓石を建立(チュラドゥールというお墓にあります)
後年は隠居生活に入り、佐久間(昔の小字名と思われます)と呼ばれる地で生活したそうです。

*新たな情報が見つかりました。当家の一族一覧(お爺様が作成した)に佐久間という屋号の家ががあります。その始祖になっている人が池悦と書かれています。この池悦さんの可能性が大です。

<伝説の池悦さんのこと>
・内城の城のそばの山田というところに住んでいた
*山田は池悦がもともと住んでいた家から少しだけ東にいった場所。
 隠居した佐久間と同じ場所かは不明

・120歳まで生きた
*実際は81歳没

・海で箱に入った赤ちゃんを拾って育てた
*佐久間という屋号で新たに家が出来ているので、定かではないが、
 隠居して養子をもらった可能性がある。

・その子供は武芸に長けていたので、武芸修行で上国
*この件に関しては今のところ情報なし。

・その子のおかげで田畑を賜り、作物が実り蔵がいくつも建つ
*池悦本人が活躍していたのでりっぱな家と財産があったと思われる。

・長生きしたので生き神扱いされて生きたまま葬られた
*当時81歳というのは驚異的な年齢であったかも。 
 なので生き神扱いされたのは理解できるが、生き埋めされるとは何とも恐ろしい。

・顔にクジマが付着していた
*化け物感を出すための比喩だと思う。顔はしわでクシャクシャ。海岸の石などにコケやクジマが付着していることを見る機会が多いので、それを古いって例えにしていたのでは?

・屋敷の東側に墓があった
*これは初耳情報。現地調査に行きたい。

・墓石には延享四年卯年十二月五日喜美留与人池悦と書いてある
*池悦が亡くなった1779年は安永8年である。延享4年は1747年であるが、池悦の父である佐久田が1748年1月12日に亡くなっているので、それと関係があるかも。

このようにしてみると、伝説が全くの作り話ではなく事実に沿った部分もあります。しかし口碑伝承されていく中で、だんだん話が変わっていったり、大げさに表現されたりがあると思います。
この伝説自体は、おそらく島の現代の人はもう全く知らないことでしょう。

この伝説が何を伝えたかったのか?そこまで読み解く力は私にはまだありませんが、おそらく池悦と言う人物が当時はとても活躍されていたので、その凄さを長生きしたことも交えて大げさに表現して伝えていったのかもしれませんね。
ご先祖様が伝説になっているとは驚きでしたが、ありがたやありがたや😊 


★この山田の爺様の伝説は、その後に新たなことが分かりました。
 2022.8.1のVol.254にその内容を書いております。

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コメント一覧

yononushi
@tomato77 コメントありがとうございます。
ランダムに調査記事をアップしておりますので少々読みづらいとこもあるかもしれませんが、引き続き読んで頂けると嬉しいです🤗
tomato77
いつも興味深く読まさせて頂いています。
これからの投稿も楽しみしております。
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