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12年前になりますが、2007年10月、秋田県鹿角郡小坂町にある国重要文化財「康楽館」を訪問しました。
この建物は2002年5月23日(平成14年)に国重要文化財に指定されています。
坂井市丸岡町の磯部小学校旧体育館には、平成12年に大阪道頓堀にあった劇場「中座」の破風を譲り受けて一部復元設置されており、
この破風を活かして平成13年から「まるおか子供歌舞伎」が行われています。
文化的な芝居小屋に対しての見聞をひろめるための訪問でした。
文化庁の国重要文化財データベースによりますと、
「康楽館」の建築年代は明治43年(1910年)で、構造及び形式等は、正面28.2m、側面38.2m、2階建て、建築面積767.93㎡、延べ床面積1,097㎡。
所在地:秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字松ノ下2番地
解説文:康楽館は、小坂鉱山を経営する合名会社藤田組が明治43年に建設した芝居小屋で、設計は小坂鉱山事務所工作課営繕掛長の山本辰之助とされる。
建物は木造一部2階建、切妻造、銅板葺(もと杉板葺),妻入である。
内部は、玄関ホール、客席部、舞台、楽屋からなり、舞台中央には廻り舞台を設ける。
正面のイギリス下見板張の外壁、装飾的な棟飾と妻飾、破風板を縁取る装飾、客席部の洋風の格縁天井など、要所に洋風意匠が見られる。
康楽館は、明治後期から大正初期にかけて全盛期を迎えた小坂鉱山と鉱山町の繁栄を物語る遺構のひとつとして貴重である。
近代の芝居小屋では、伝統的な形式を踏襲しつつ、優れた洋風意匠を取り入れた現存最古のものとして歴史的価値が高い。
直径9.73mの回り舞台下を見学。
「ろくろ」仕掛けで4人の人力により回転するそうです。
この施設周辺は、「康楽館」、「小坂鉱山事務所」、「小坂鉄道レールパーク」があり、
小坂まちづくり株式会社が指定管理者として管理運営を行っている。
この時は時間の関係上、「康楽館」だけの訪問でした。
次回はゆっくりしたいと思いながら、12年も経過してしまいました。
旧小坂鉱山事務所<2002年5月23日(平成14年)国重要文化財指定>
所在地:秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館48番地2
構造及び形式等:明治38年建築、木造、建築面積753.57㎡、3階建て
解説文:旧小坂鉱山事務所は、合名会社藤田組小坂鉱山事務所の本部事務所として明治38年に建てられた。設計は、同事務所工作課の北湯口勇太郎と推定されている。
口字型平面の木造3階建で、段差のある敷地に対応するとともに採光を考慮した階層構成と平面形状を持つ。
ルネッサンス風の漆喰壁面に木製のヴェランダポーチをはめ込んだ類例の少ない正面外観を構成している。近年、旧所在地から約500m南方に移築保存された。
旧小坂鉱山事務所は、建築計画や建築意匠上に特徴があり、明治後期における建築技術者の洋風建築設計技術の習得度を測る上で重要である。
また、我が国の近代鉱山における本格的鉱山事務所建築の数少ない遺構としても高い歴史的価値がある。
<文化庁の国重要文化財データベース参照>