仕事柄、話題性のある介護現場を取材することが多い。
特にタイムリーだったり、ユニークな情報はいち早く取材して記事にしたいと思ってしまう。
自分自身が高齢になるにしたがって、在宅介護には特に興味を持って取材してきた。
シングルで要介護度4の母親を小規模多機能施設に預けながら、
フルタイムで大手企業で働いている女性や、
高齢ながらさまざまな介護サービスを上手に利用して、
要介護5の夫の介護を続けている女性、
早くから若年性アルツハイマーになった妻を仕事と両立しながら、
前向きに在宅介護している男性介護者など。
「介護保険を上手に利用して前向きな介護をしましょう」的に紹介してきた。
ところが、だ。
コロナ禍でなかなか帰れなかった故郷を久々に訪れ、
高齢の知人が認知症の夫を在宅介護している実態を知った。
地方の田舎町のこと。
在宅介護という認識は全くない。
しかも、介護する知人は2本の杖が必要なほど股関節を痛めている。
それでも、
地元の地域包括センター所属のケアマネジャーが手配しているのは
夫のデイサービスの利用だけ。
生活の援助をしてもらえる訪問介護や、
訪問リハビリ、訪問入浴介などのサービスも聞いたこともないと話す。
介護者が介護の余裕がなくなった時などに使える
ショートステイ(施設に2〜3日泊まる)など、もちろん知らなかった。
さまざまなサービスを利用しての在宅介護が成り立っているのは、
都市部だけの話だったのかもしれない。
介護や介護保険についてのわかりやすい本も多数出ているのに、
現実の暮らしは介護保険制度ができる前の生活とあまり変わりなかったことに
驚かされてしまった数日だった。
今、私たちは何をするべきなのだろう?
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