街の中ではクリスマスソングが流れる季節。
「帰国したから」と、数年ぶりに1本の電話をもらった。
写真家で映像作家でもある井上廣子さんからだ。
文化庁の文化交流使としてドイツでの制作を開始して以来、その後はゲストアーティストとしてドイツから迎えられ、
あちらにアトリエを構えて、もう10年数年。日本とドイツを行ったり来たりの生活が続いている。
以前、取材させてもらったのがきっかけで、親しくなった。
個展に伺ったり、おうちにお邪魔してワインを楽しんだりしたことも。
その世界では名を馳せるアーティストで、仕事的には遠い遠い存在の人なのに、なぜか波長の合う人。
もの言いもソフトで、優しい笑顔の持ち主。お人好しで、どんな話にも興味津々で耳を傾けてくれる人。
だけど、いざ仕事となると脇目も振らずに異次元に行ってしまうような人なのだ。
ある時など、作品に樹脂を使うと決めたら、
レーヨン会社に直談判し、工場に手弁当で数週間通いつめたという話を聞いたこともある。
戦争、大災害、バイオレンス……社会の枠から排除された弱者など
社会的なトラウマをテーマに、真摯に作品づくりに挑む。
言葉では簡単だが、弱者に自分自身を重ね合わせて、同じように悩み、苦しみ、
「人間とはなんぞや!」と問いかけるのだ。
現在は、さらに神経を研ぎ澄まし、自然と環境をテーマに光や水を撮り続けているそうである。
私など、井上さんとの世間話ではぐっと盛り上がるのだが、
いざ作品の話になると付いていけなくなり、その一生懸命さに飲み込まれるように話を聞くしかない。
お正月は日本で家族と過ごし、またドイツに向かうという彼女。
抱えきれないほどのやらなければならないことが、ドイツで待ちかまえているんだと熱く語ってくれた。
電話を切った途端に、「ドッカーン!」。心にパンチをもらった。
彼女は私よりほんのわずか年上。
電話のベルがなるまで、自分の年齢のことを理由に、「やってみたいけれど、この仕事はもう無理かな?」と
後ろ向きな思いを巡らしていた私。急に恥ずかしくなった。
井上さんに、大きな「喝!」を入れられた気がしたのだ。
さあ、また立ち上がろう!
「帰国したから」と、数年ぶりに1本の電話をもらった。
写真家で映像作家でもある井上廣子さんからだ。
文化庁の文化交流使としてドイツでの制作を開始して以来、その後はゲストアーティストとしてドイツから迎えられ、
あちらにアトリエを構えて、もう10年数年。日本とドイツを行ったり来たりの生活が続いている。
以前、取材させてもらったのがきっかけで、親しくなった。
個展に伺ったり、おうちにお邪魔してワインを楽しんだりしたことも。
その世界では名を馳せるアーティストで、仕事的には遠い遠い存在の人なのに、なぜか波長の合う人。
もの言いもソフトで、優しい笑顔の持ち主。お人好しで、どんな話にも興味津々で耳を傾けてくれる人。
だけど、いざ仕事となると脇目も振らずに異次元に行ってしまうような人なのだ。
ある時など、作品に樹脂を使うと決めたら、
レーヨン会社に直談判し、工場に手弁当で数週間通いつめたという話を聞いたこともある。
戦争、大災害、バイオレンス……社会の枠から排除された弱者など
社会的なトラウマをテーマに、真摯に作品づくりに挑む。
言葉では簡単だが、弱者に自分自身を重ね合わせて、同じように悩み、苦しみ、
「人間とはなんぞや!」と問いかけるのだ。
現在は、さらに神経を研ぎ澄まし、自然と環境をテーマに光や水を撮り続けているそうである。
私など、井上さんとの世間話ではぐっと盛り上がるのだが、
いざ作品の話になると付いていけなくなり、その一生懸命さに飲み込まれるように話を聞くしかない。
お正月は日本で家族と過ごし、またドイツに向かうという彼女。
抱えきれないほどのやらなければならないことが、ドイツで待ちかまえているんだと熱く語ってくれた。
電話を切った途端に、「ドッカーン!」。心にパンチをもらった。
彼女は私よりほんのわずか年上。
電話のベルがなるまで、自分の年齢のことを理由に、「やってみたいけれど、この仕事はもう無理かな?」と
後ろ向きな思いを巡らしていた私。急に恥ずかしくなった。
井上さんに、大きな「喝!」を入れられた気がしたのだ。
さあ、また立ち上がろう!