もう何年前のことだろう。
夫が現役の頃、会社の近くにおばちゃん一人で切り盛りする小さな居酒屋があって、
そこで出される鶏つみれ鍋がめちゃくちゃ美味しいというのだ。
その当時、料理として夫が手伝ってくれるのは、
ホットプレートでお好み焼きや焼きそばを焼いてくれる程度だったのだが、
家でも食べたいからと大まかなレシピを聞いてきてくれた。
それが、なんと、まあ、びっくり!
食材の妙というか、あっさりながらコクがあって本当に美味しいのだ。
それも当たり前の食材ばかりなのに、
組み合わせ方でなぜこんなに美味しくなるんのだろうとなってしまう。
最後のスープまでお玉ですくってすくって飲んでしまうほど。
今年も寒い日が続くようになって、さっそくつみれ鍋に。
コンソメスープ+薄口醤油少々のつゆに、
野菜は白ネギ、キャベツ、モヤシ、ニラ、エノキなどのキノコ類に、豆腐と葛切り程度。
そこに、鶏のつみれ(鶏ミンチに味噌、酒、細かく刻んだ生姜、刻んだ青ネギを混ぜて練る)を
入れるだけだ。
気が向いたら、エビつみれ(生エビを刻んで、ネギや生姜につなぎの片栗粉を入れて練る)もプラス。
それを、ポン酢に柚子胡椒、たっぷりのすりゴマで食べるのだ。
そして、締めはラーメン。
ここは手間を省かず、生麺を湯がいたものを。
もう何回食べても本当に飽きない美味しさで、ここ何年も冬が来ると
「ああ、食べなきゃ」となってしまう。
食材は野菜以外は鶏のミンチだけで、あまりにお手軽。
あまりにあっさり美味しい鍋料理である。
もちろん、てっちりやアンコウ鍋、すき焼きも美味しいに決まっているが、
特に寒い日や心が冷えてしまった時に、知らない人にまでお勧めしたい格別の味だ。