上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

12月 格安超ウマ鶏つみれ鍋

2022-12-30 08:51:06 | エッセイ


もう何年前のことだろう。
夫が現役の頃、会社の近くにおばちゃん一人で切り盛りする小さな居酒屋があって、
そこで出される鶏つみれ鍋がめちゃくちゃ美味しいというのだ。

その当時、料理として夫が手伝ってくれるのは、
ホットプレートでお好み焼きや焼きそばを焼いてくれる程度だったのだが、
家でも食べたいからと大まかなレシピを聞いてきてくれた。

それが、なんと、まあ、びっくり!
食材の妙というか、あっさりながらコクがあって本当に美味しいのだ。
それも当たり前の食材ばかりなのに、
組み合わせ方でなぜこんなに美味しくなるんのだろうとなってしまう。
最後のスープまでお玉ですくってすくって飲んでしまうほど。

今年も寒い日が続くようになって、さっそくつみれ鍋に。
コンソメスープ+薄口醤油少々のつゆに、
野菜は白ネギ、キャベツ、モヤシ、ニラ、エノキなどのキノコ類に、豆腐と葛切り程度。
そこに、鶏のつみれ(鶏ミンチに味噌、酒、細かく刻んだ生姜、刻んだ青ネギを混ぜて練る)を
入れるだけだ。
気が向いたら、エビつみれ(生エビを刻んで、ネギや生姜につなぎの片栗粉を入れて練る)もプラス。
それを、ポン酢に柚子胡椒、たっぷりのすりゴマで食べるのだ。
そして、締めはラーメン。
ここは手間を省かず、生麺を湯がいたものを。
もう何回食べても本当に飽きない美味しさで、ここ何年も冬が来ると
「ああ、食べなきゃ」となってしまう。

食材は野菜以外は鶏のミンチだけで、あまりにお手軽。
あまりにあっさり美味しい鍋料理である。
もちろん、てっちりやアンコウ鍋、すき焼きも美味しいに決まっているが、
特に寒い日や心が冷えてしまった時に、知らない人にまでお勧めしたい格別の味だ。
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12月 母親になって後悔?

2022-12-14 17:07:37 | エッセイ

『母親になって後悔してる』という本が話題になっている。
昨夜、NHKの番組で取り上げていたのだが、
ちょうど「母親だけに子育てを押しつけていませんか?」といった内容の原稿を書いていて、
タイムリーだったこともあり、注目してしまった。

NHKの調査では、現在子育て中の母親の3人に1人が
「母親にならなければよかった」と後悔しているという。
ただ、7割の母親が子どもを愛しているということで、なるほどと思った。
多くの母親が子どもは可愛いけれど、社会の中での「母親という存在」に後悔しているのだ。

古い時代から位置づけされてきた母親像、
あるいは子どもの頃から刷り込まれてきた母親像。
子どもを産み、夫を立て、家事をこなし、いい子に育て、
どんな辛さも乗り越えていく……のが、良いお母さんと。
子どもを産めば、自然にできていくのが母性だと。

私が子育てをしていた40年前を思い出してしまった。
当時も私の周りでは多くの女性がフルタイムで働いていたが、
誇りを持って専業主婦をしている人も多かった時代。

2人の子どもを育てながら細々とでも仕事を続けていると、
「大事な子育て中に、そんなに仕事が大事なの?」
「三つ子の魂百までと言われるように、3歳までは子育てに専念しなさいよ」
「母性があればできるものよ」
と、身近な人によく言われたものだ。
それでも私が仕事を続けられたのは、フリーランスで何事にも融通がきいたことと、
仕事をすることに夫の理解があったからからだと思う。

好きな仕事を見つけ、困難を抱えながらも生きていく自分の人生。
その途中に母親となって子育てが新たに加わり、
その育児や家事のすべてが母親だけに集中して、その成果まで求められては、
心身ともにパニックになって当然だろう。

私がかつて、ある人から言ってもらったように、私も言いたい。
「お母さんが好きなことを一生懸命していたら、子どもはその背中を見ているはずよ」
今はSNSを通して、人の子育ても目に見える時代だけれど、
人のことなんて気にしないで。

よく本人が変わらなければと言われるけれど、
変わるべきなのは、父親の子育てへの意識や社会の子育てへのやさしい眼差し。

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