上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

9月 自分らしい暮らし

2021-09-14 16:25:22 | エッセイ

歯医者さんに通う道で、知らない女性につい声をかけてしまった。

一戸建ての周りにいろんな種類のお花をいっぱい育てている家があって、
前から「どんな人がやってはるのかなあ」と気になっていたのだ。

すると、イメージしていた通りの女性が水やりをされていて、つい。
とても感じのいい人で、話し込んでしまい、歯医者に遅れそうになった。
別れ際には、
「お花を通してお知り合いになれると嬉しいので、また声をかけてくださいね」と素敵な言葉も。
どこかで会ったことのある人と似てるなあと、爽やかな気持ちで歯医者に向かった。

そうそう!
数週間前に見た、youtube「60代主婦のブログ」のご本人と、
先ほどのお花の女性がシンクロナイズしてしまった。
新聞で「60代主婦のブログ」が、ずいぶん人気を集めていると知って
覗かせてもらったyoutubeだったのだが、
これがまた心地よくて、続けて何遍も見てしまったのだ。

ブログは、あまり背伸びしないで付き合えそうな、
自分の周りにもいそうな女性のシニアライフで、
見終わるとほっこり。

作り手だけがシニアライフを楽しんでるのではなくて、
見ている側まで気持ちを穏やかにさせてくれるもの。
人気の秘密はここなんだと思った。

リビングのテーブルには、ほどよくおしゃれで気の利いた食器が並び、
おやつの時間には丁寧にいれたコーヒーとクッキー。
きちんと出汁をとって丁寧に作られる煮物や、
手抜きと言いながらも、手慣れた感じで混ぜ合わせて出来上がっていくケーキを見ていると、
生きる姿勢まで伝わってくる。
時々「まっ、いいか」という言葉も入って、ホッとさせられ、
ベランダで育てた小さなお花を、毎日水切りして小さなグラスに飾る姿も気持ちがいい。
ちょっと頑張れば真似できそうで、身近な暮らしのお手本になってくれるのだ。

毎朝のルーティンとおっしゃる水回りと玄関のお掃除。
トイレの床はもちろん、玄関の床まで丁寧に拭く姿を見ていたら、
私には毎日は無理だけど、気持ちよさそうだなと思わせてくれる。

これまで、たまに「わたしのモーニング・ルーティン」など、
特別な人のハイセンスな暮らしのyoutubeを覗かせてもらっていたけれど、
なぜか遠い場所の話だった。
きれいに整ったシンプルな家で、こだわりの素敵な生活道具に囲まれ、
北欧風な食事で1日がスタートするといった具合のおしゃれなな生活を送る人たちは、
「ああ、素敵やなあ」「こんな生活ができたらなあ」と思いながらも、
やはり距離があり過ぎた。

「心地よさ」というのは、人の心に響くのだなあと納得した。
感化されやすい私は、さっそくベランダのお花を入れ替える気になり、
玄関の床だってたまには拭こうと自分に言い聞かせた。

心地よく生きるために、できることを少しずつ。
コメント
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