上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

3月 『まるちゃんの老いよ ボチボチかかってこい!』

2023-03-12 16:23:15 | エッセイ
この3月、
私にとって特別の意味をもつ1冊の本を上梓した。

心から信頼する丸尾多重子氏(つどい場さくらちゃん代表)、
愛称まるちゃんの思いを綴った
『まるちゃんの老いよボチボチかかってこい!』
という一冊。
出版社「クリエイツかもがわ」の敏腕編集者岡田さんとのご縁の賜物でもある。

この本は、まるちゃんの転倒に始まり、5時間もの入浴事故から
仲間に救助されての奇跡の生還、入院、手術、介護……と、
一見、まるちゃんの人生後半の顛末記的要素にあふれている。

これまで介護する側から発言を続けてきたまるちゃんが、
介護される側になっての
「老い」を受け入れることの難しさや悔しさ、
だからこその上手な老いの受け入れ方、
また高齢になって、いつでも駆けつけてくれる人と繋がることの
大事さが大きな柱となっている。

でも、その背景として私が描きたかったのは、
自分自身の家族の介護への後悔から学びを重ね、
家庭での介護のあり方を
20年間ぶれることなく、介護者に伝え続けてきたこと。
小難しい言葉など一切使わずにである。

それは、
偉ぶることもなく、いつも明るい関西のおばちゃん風のまるちゃんが、
人生をかけて打ち立ててきた立派な「家庭介護論」であることだ。

多分、まるちゃんがこの文章を目にしたら、
いつも通り「ワッハハ!」と笑い飛ばすだろう。

そうやって人のために生きることの大きさを、
そばで見させてもらったことへの感謝でもある。
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